第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第49話 シスターウォーズ エピソード2/4
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て弱い。
勿論勇美も人間であるから、その肉体には限界があるのだ。
だが、彼女はその限界の中で確実に成長をしていた。あくまで人間としてであるが、勇美は肉体面でも初めて依姫と出会った時から洗練されていたのだった。
でなければ、レミリアと協力しているとはいえ、ここまで軽快に弾幕打ち返しの反撃を行う事は出来ないのだから。
まるでプロのテニス選手ね……。そう依姫が感慨に耽ようとした時、その心地良さを吹き飛ばす衝撃が彼女の頭の中を走ってしまった。
「テニス……テニス……!」
これじゃあ石凝姥命というか錦織圭選手だと、依姫は気付いてしまったのだ。
世の中知らない方がいい事もある。その事を依姫は今痛感するのだった。これじゃあただの駄洒落だと。しかも神様を駄洒落に使うのかと。
依姫がそんな心の痛みに苛まれる中でも、勇美とレミリアの快進撃は見事に決まっていったのだ。
「グァァァア……」
「クソ……『フォーオブアカインド』ノ効果ガ……」
フランドールの一体のその言葉が示すように、度重なるダメージにより、彼女『達』を創っていたスペルの限界が近付いていったのだ。
そして、それは起こった。四体になっていたフランドールの内三体が紅い煙を撒き散らしてポップコーンのように弾け飛んでしまったのである。
紅い煙が収まると、そこにはフランドールの姿があった。勿論その姿は一つである。
「ヤッテクレタナ……」
憎々しげな表情を浮かべながら、フランドールは勇美とレミリアを睨みつけた。
「四人になってタカを括っていたからそうなるのよ」
レミリアは得意気にそう言ってのける。
確かにフランドールは幼いが故に調子に乗りやすい。だが、それでも自分の力に頼り切ってあぐらをかくような事はしないのだ。
だが、今フランドールの肉体を使っている者は違った。確実に彼女から得られる力に酔い知れていたのだった。
しかし、その力に酔っていようともフランドールの力は本物である。
いや、その何者かの力により本物以上になっているのだ。
その事をフランドールは次の行動で示す。
フランドールは邪な笑みを見せると、おもむろに右手を頭上に高く掲げたのだ。
「何をする気?」
勇美の助力もあって勢いづいていたレミリアであったが、そのフランドールの予想だにしない行動に焦燥感を煽られたのだ。──彼女の運命を操る力が、何か良からぬものを察知したのだった。
そして、フランドールは頭上で開いた掌を、そのまま握り締めたのだ。そして、ガラスが割れるような耳障りな音が鳴り響いた。
そう、それは彼女の『破壊の力』を発動する時の動作に他ならなかったのだ。
では、何を破壊したというのだろうか。
そうこの場に居合わせる者達が思
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