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ドリトル先生の野球
第三幕その七

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「若い時から」
「そうですか、僕もです」
「煙草はですか」
「お酒は好きですが」
 それでもとです、先生は監督さんに答えました。
「意識がなくなるまではです」
「飲まれないですか」
「かなり飲んでいますが」
 先生はご自身のことを正直にお話しました、この正直さもまた先生が皆から愛される理由なのです。
「煙草はです」
「吸われないですか」
「一本も」
「そうなのですね」
「やはり煙草は」
 先生はお医者さんとしてお話しました。
「身体にはです」
「よくないですね」
「特にスポーツ選手にとっては」
「吸われない方がいいですね」
「出来るだけ。歌手の人もです」
 この職業の人もというのです。
「出来るだけです」
「吸われない方がいいですか」
「身体全体に悪影響を与えるので」
 それが煙草だからだというのです。
「ですから」
「出来るだけですね」
「スポーツ選手や歌手の人は喫煙は控えるべきです」
「私もそう思っています、そして」
「この野球部ではですか」
「今は喫煙者はいません」
 監督さんははっきりと言い切りました。
「有り難いことに」
「それは何よりですね」
「煙草も駄目なら」
 監督さんは先生にさらにお話しました。
「麻薬はです」
「尚更ですね」
「あれは断じてです」
「犯罪ですし」
「手を出してはならないと」
「選手の人達にもですね」
「言っています」
 そうしているというのです。
「もう選手生命どころかです」
「人間としてですね」
「命にも関わるので」
「だからですね」
「私は麻薬は絶対に許していません」
「いいことです、麻薬中毒になれば」
 どうなるかとです、先生も監督さんにお話します。
「スポーツどころではありません」
「そうですよね」
「麻薬は身体も心も蝕みます」
「健全な生活が出来なくなります」
「健全な生活を送れなくなれば」 
 それこそというのです。
「スポーツもです」
「出来ないですね」
「残念なことに」
 本当に残念そうなお顔で言う先生でした。
「日本でもそうしたお話がありましたね」
「プロ野球で、でしたね」
「かつてのスター選手が」
「何でも現役時代からしていたとか」
「ああしたことをしますと」
「駄目ですね」
「何があっても」
 先生は語尾を荒くすることもありません、ですがそれでもとても残念そうにこう監督さんにお話するのでした。
「野球選手として以前にです」
「人としてですね」
「とても悲しいことです」
 そうだというのです。
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