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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第41話:狩られる者達
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ボールを次々と握り潰すようにして消した。と思っていたら、次の瞬間帽子をひっくり返すとそこからボールが三つ転がり出てきた。

 しかしこうなるとあの2人を見つけるのは容易ではない。追われる身である以上、あの2人が一か所に留まると言う事は無いだろう。しかも2人の移動手段は飛行。その2人を正確に補足することは普通に探したのでは至難の業だ。

「なぁ颯人ぉ、魔法使って何とかならないの?」
「そんな都合のいい魔法あったらさっさと使ってるよ。ま、ウィズなら何かしらの方法で見つけられるかもしれないけど、あいつこっちから連絡取れないからなぁ」

 肝心な時に役に立たないと、颯人は面倒くさそうに溜め息を吐く。
 颯人に釣られるように奏も鼻で溜め息を吐くと、その勢いに押されるように背もたれに体を預け天井を仰ぎ見た。

 その時、奏の視界に白い小鳥の様な物が映った。それを見た瞬間奏は目を見開き空中に浮かぶそれ――ウィズが召喚するホワイトガルーダを凝視する。

「は、颯人あれ――!?」
「あれ? あれって何……ッ!?」

 奏が指差したことで、颯人もそれの存在に気付いた。
 颯人が気付くのを待っていたかのように下りてきたホワイトガルーダ。その足には彼も見た事の無いウィザードリングが。

「こいつは――――?」

 下りてきたホワイトガルーダに手を伸ばすと、ホワイトガルーダは足で掴んでいたウィザードリングを彼の手の上に置いた。
 明らかに使えと言っているようなその仕草に、颯人は訝し気な顔になりながらもそのウィザードリングを右手中指に嵌めハンドオーサーに翳した。

〈テレフォン、プリーズ〉
「テレフォン? 通信か?」

 ベルトから聞こえる詠唱でその魔法の効果に予想を着けていると、右掌に小さな魔法陣が展開された。颯人は傍から見ると何とも間抜けな姿に見えるのではと言う不安を押し殺し、恐る恐るその右手を右耳に近付けた。

「も、もしもし?」

 電話する時の要領で右手の魔法陣に話し掛ける颯人の様子を、奏と翼、弦十郎が興味津々と言った様子で見守っている。傍から見ていると可笑しな光景だが、状況が笑っていられるものではない事を肌で感じ取っている為奏ですらその様子を茶化すことはしない。

『颯人か?』

 果たして、魔法陣からは予想していたがウィズの声が響いた。

「何だよウィズ? こんな方法で連絡だなんて、初めてじゃないか?」
『細かい事は気にするな。今から言う場所に来い。出来れば仲間がいた方が良いな』
「どういう事だ?」
『悪いが説明している時間はない。事情は来れば分かる。場所は――――』

 ウィズから手短に来るべき場所が指定され、颯人はとりあえずその場所をメモった。ここから嫌に遠い事が気になるが…………。

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