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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百七十七話 期末テストを前にしてその十一
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「独特の音楽とです」
「やっぱり人間性ですね」
「付き合いにくい人だったとのことで」
「かなり尊大で頑迷で癇癪持ちで気難しかったそうですね」
「ですから」
 そうした問題点があってだ。
「人付き合いがです」
「しにくい人でしたね」
「その為敵も多かったのです」
「すぐに怒ってもの投げたそうですね」
 その癇癪持ちを発揮してだ。
「自分の音楽は万人がひれ伏す音楽だって思っていて」
「尊大ですね」
「それでもう考えを絶対に変えない頑迷さで」
「気難しく」
「そりゃ人付き合い難しいですね」
「耳が悪かったことも影響していましたが」
 有名なこのことは何でも梅毒のせいらしい、スメタナも梅毒で耳が聞こえなくなりそして最後は発狂して死んでいる。
「それでもでしたね」
「そうした人だったんですね」
「そうでした、この二人のどちらが敵が多いか」
 そのことはというと。
「私もわかりません」
「そうですか」
「はい、ですが」
「それでもですか」
「ベートーベンは女性には清潔でした」
 男女関係にも極めて厳格な考えの持ち主だったらしい、にもと思ったのはこの人のそうした考えを僕も知っているからだ。
「それで、です」
「ワーグナーみたいなことはしなかったですね」
「確かに人間的な問題は多かったですが」
 それでもというのだ。
「高潔で清廉潔白でした」
「公平な人でもありましたね」
「倫理観は強かったです」
「そのことは美点ですね」
「あの人にとって」
「そうですよね」
「私は実はベートーベンの音楽も好きですが」
 畑中さんは僕にこうも話してくれた。
「人間性も実は」
「お好きですか」
「決して嫌いではないです」
「清濁併せ呑むって人じゃないですね」
「それはそうですが」
 それでもというのだ。
「あの苦難にも負けずに進んだ姿勢がです」
「耳のことですか」
「いいと思います」
「最後まで音楽に全てを捧げていましたね」
「戦士の様な人だったかと」
「戦う人ですか」
「己の過酷な運命に立ち向かう」
 その耳のことにだ。
「そうした人だったと思うからです」
「お嫌いじゃないですか」
「はい、少なくとも悪人ではないですね」
「それは間違いないですね」
 僕は見てもだ。
「あの人は」
「確かに問題点も多いですが」
「邪悪さとは無縁ですね」
「そして人を裏切ることもです」
「しないですね」
 伝え聞くその性格から考えるとだ。
「誠実で嘘を言わない人でしたね」
「そうですね」
「そうした人はいいですね」
「世の中友人を裏切る人もいますね」
「そうした人は最初から友達でないですね」
「義和様は自分が友人に告白しろとけしかけてその友人の立場が悪くなり自分にも火の粉
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