暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第七十五部第二章 開戦直前その十八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「この世の中は何があるかわからないな」
「はい、絶対はなく」
「この世はまことにです」
「何時何が起こるかわかりません」
「人に先はわかりません」
「万全の陣形を組んでいてもだ」
 それでもというのだ。
「突如として気候が変わってその陣形が崩れてだ」
「敗れた軍もありましたね」
「それは宇宙でも同じですね」
「突如として宇宙潮流の流れが変わったり」
「隕石嵐が起こったりして」
「そうだった、惑星では地震や台風でだ」
 そうしたことが突如と起こってだ。
「状況が変わり敗れた事例も多い」
「その通りです」
「ペストで戦争が中断になったこともあります」
 百年戦争のことだ、途中それで中断になったこともあるのだ。
「そして台風に航空機が巻き込まれたこともあります」
「艦隊も」
「政治でもあった」
 戦争は政治の一手段なのでシャイターンはこちらの話もした。
「災害で側近を失い力を失った者もいる」
「思わぬ災厄で」
「そうなった事例もありますね」
「確かに」
「こうしたことは人の及ぶ力ではない」
 緒戦はとだ、シャイターンは言った。
「私も人に過ぎないのだからな」
「そして人ならばですね」
「出来ることに限りがある」
「左様ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「私は確かに英傑だが」
「人であり」
「それ以上の存在ではない」
「そうしたものですね」
「人の力は限られている」
 そして小さいものだ、イスラムの考えである。
「それで予測出来ることもだ」
「限られていて」
「そしてですね」
「そうした不慮のことには」
「そのことには」
「どうしようもない、そうしたことは全てアッラーの御手の中にある」
 神の裁量の中にあるというのだ。
「私ではどうしようも出来ない」
「そしてその時は」
「宇宙の気候等で思わぬ事態が起こった時は」
「それが我々にとって不利ならば」
「その場合については」
「天命だ」
 それになるというのだ。
「諦めるしかない、これでもある程度の備えはしているがな」
「その気候についても」
「宇宙のそれについても」
「左様ですね」
「そうだ、考えられる事態全てに対応する」
 それこそがというのだ。
「人がすべきことだが」
「それでもですね」
「それ以上のことが起こるかも知れない」
「それがアッラーの御手ですね」
「それによって為されることですね」
「そうだ、若しそれで勝てればいいが」
 まずはこのケースから話した。
「しかし敗れる場合もある」 
「勝負はアッラーの御手の中にあり」
「そしてですね」
「そこから逸脱することはない」
「決して」
「そうだ、そのアッラーの為されることならだ」 
 シャイターンも敬虔なムス
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ