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曇天に哭く修羅
第三部
主義主張 8
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【融解】によって逆転した《立華紫闇》は《佐々木凜音》との絆を取り戻し《九月院瞬崩》の名を捨て新たな力を得た《佐々木青獅》に逆転返しされる。

蒼穹の槍によるただ只管(ひたすら)の突き。

それが全身に突き刺さっていく。


「あの小僧……! よもや【魔晄極致(サードブレイク)】に到るとは……ッ! あれが一体どういうものか解っている者は少ないじゃろうな……」


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【魔晄外装/ファーストブレイク】は魔術師の武器と第一の異能を指しており、規格外でない魔術学園の生徒なら誰もが持っている。

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だが【魔晄神氣/セカンドブレイク】に到る者は魔晄外装を持つ者に比べて極僅か。

第二の異能を得る魔術師は神から天稟(てんぴん)を授ったとされるような才能を以て死を垣間見る程の努力をした末に得られる。

魔術学園の生徒に限れば皆無。

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そして修得条件が不明であり、魔晄神氣より遥かに会得する難易度が高い魔術師にとって究極の領域とも言えるのが【魔晄極致】

第三の異能であり、魔術師が覚醒できる最後の異能だともされている。

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黒鋼弥以覇(くろがねやいば)》も隣に居る《流永(りゅうえい)》も72年以上前の【邪神大戦】に参加していた時ですら見たことが無い稀少なものだ。

何せ魔術師が誕生した紀元前2000年から今の西暦2072年まで100人しか居なかったくらい辿り着くことが難しい至高の領域。


現在(いま)は10人ほどおるが、一つの時代にこれだけ魔晄極致が揃うのが異常事態よ」

「二十七代目は……。否、佐々木青獅は捨てたものを拾い直した。家族への情すら切って強大な力を得たのにそれを失うような行為に走った」


なのに流永を超えた域に居る。

捨てたものを再び手にしたことで、弱くならずに強くなったのだ。

否、本当は流永も解っている。

彼は家族への情を捨てられなかったから72年前に弥以覇と戦って負けたという考えを認めたくなかった。それ故に別の答えを求めた。

しかし見付からなかったのだ。

だから認めざるを得なかっただけ。

全てを捨てられなかったから負けたと。


(儂だって信じたかった。人は大切なものを捨てずとも強くなれるという風に)


目の前で戦う弟子が出した答え。

それは流永が求めていたもの。


「確信したぞ青獅……」


全てを捨てて前に進める者が最強になれるという自分の信念は間違い。

間違ってくれていたのだ。

流永は(こら)え切れず涙を流す。


「のう流永」



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