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戦国異伝供書
第九十五話 負け戦その一

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                第九十五話  負け戦
 大内家の軍勢は瀬戸山城を攻め落としてからもさらに進んでいき遂に尼子家の本城である月山富田城まであと少しの場所まで来ていた。
 そこに来てだ、陶は義隆に話した。
「殿、いよいよです」
「尼子家の本城を攻め落とすな」
「そうなります」
 陶は主に確かな声で答えた。
「これより」
「そしてか」
「はい、尼子家も本城を攻め落とされれば」
「我等に降るしかないな」
「そうなればです」
 まさにというのだ。
「山陽と山陰は我等のものとなります」
「敵はいなくなるな」
「九州の領地も含めて」
 そちらも合わせてというのだ。
「もう西国に我等の敵はおりませぬ」
「名実共に西国探題になるな」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「そこから幕府をお助けすることも」
「出来るな」
「先に上洛しましたが」
 大内家の先代の時のことだ、この時は大内家は多くの国人毛利家も含めてその彼等を率いて出陣し上洛を果たし大いに名声を上げたのだ。
「今度はです」
「あの時よりもさらにか」
「はい、当家の力を示し」
 そしてというのだ。
「幕府即ち公方様をお助けし」
「西国の乱れも収められるか」
「当家に加え細川家が力を取り戻せば」 
 管領であるこの家がというのだ。
「もうです」
「西国は安泰であるな」
「そうなるかと。ですから」
「この度の戦でじゃな」
「当家は天下の家になります、では」
「これよりじゃな」
「城攻めをはじめましょう」
 その月山富田城にというのだ、こう話してだった。
 大内家の軍勢は山全体を城にした月山富田城を囲んだ、元就はその城を見上げて険しい顔で周りに話した。
「噂には聞いていたが見るとな」
「はい、実にですな」
「恐ろしい城ですな」
「そう攻めてもです」
「それでもですな」
「あの城は攻め落とせませぬな」
「簡単には」
 周りもこう述べた。
「どう見ても」
「これはまさに西国一の城です」
「近江の観音寺城や美濃の稲葉山城もかなりと聞いていますが」
「それでもですな」
「この城は他の城にも負けておらぬ」
 今名が出たその城達にもというのだ。
「まさに天下の堅城じゃ」
「ですな、では」
「今攻めても」
「それでもですな」
「この兵でも」
「攻略は無理ですな」
「五万あってな」
 それだけの大軍でというのだ。
「それで何とかじゃ」
「策なくしては」
「それではですか」
「敗れる」
「そうなってしまいますか」
「うむ」
 まさにというのだ。
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