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おぢばにおかえり
第五十九話 先輩と神戸でその九

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「絶対によくないの」
「そのことは絶対なんですね」
「何があたってもしたら駄目なことだからね」
 それでというのです。
「そうなるの」
「そうですか、あと」
 ここで私は先輩に尋ねました。
「それで先輩その人に謝ったんですよね」
「無視されたわ、ぷいと後ろ向かれて」
「そうだったんですね」
「ジュンちゃんもともちゃんもね」
 一緒に謝ったみたいです、私が知っている先輩の方々が。
「それでもね」
「許してくれないで」
「それでね」
「その人とは、ですか」
「ずっと険悪だったのよ」 
 そうだったというのです。
「そうした思いはもうしたくないから」
「自分が絶対に正しいと思ったら駄目ですか」
「絶対にね、相手が絶対に悪いともね」
「それがおみちでもありますね」
「おみちにそうした考えないでしょ」
 自分が絶対に正しいとか思うことはです。
「そうでしょ、だからね」
「その意味でもですね」
「そう思わないことよ」
「わかりました」
 私は先輩の言葉に頷きました。
「気をつけます」
「そうしてね、ちっちも」
「はい、先輩にもそうしたことがあったんですね」
「そうなの。もう二度とあんなことしないから」
 先輩の奇麗なお顔が辛い表情のままでした、物凄く整っている顔がそうなるのはあまり見ていてよくありませんでした。
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