第五百八十話 引退したペルシャ
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第五百八十話 引退したペルシャ
長い間活躍したペルシャも引退した時のことです、ローマはそのペルシャのところに来て言いました。
「お前も遂にかよ」
「いや、引退ってことで」
「ササン朝が倒れたからか」
「そういうことで」
「成程な、もう俺もな」
この時ローマはまだ長靴の半島にいました、ですが。
あちこち古傷が痛んでいてこう言うのでした。
「まともに動けないしな」
「そっちは大変みたいで」
「何が何かわからなくなってるな」
メロヴィング朝もお家騒動が続いてです。
「国か部族かわからないのが一杯出てるぜ」
「東はビザンツでまとまってるのにですね」
「ああ、それで俺もこんなのでな」
「お互い引退した身になりましたね」
「お前とは随分色々あったけれどな」
皇帝が捕虜になったりとです。
「こうなったらな」
「もう静かなものですね」
笑って言うベルシャでした、もうその間柄は強敵と書いて『とも』というか余生を過ごす者同士のそれでした。
第五百八十話 完
2020・6・27
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