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戦国異伝供書
第九十二話 尼子家襲来その十一

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「そしてな」
「大内家の援軍を見て」
「我等は完全に萎えていますな」
「兵達の士気は」
「最早完全に」
「そうなっているからな」
 だからだというのだ。
「ここはどうにもならぬ」
「左様ですな」
「それではですな」
「この度は」
「退くとしよう」
 こう言ってだった。
 晴久は陣払いを行わさせて退きはじめた、だが。
 元就は城の櫓からそれを見て言った。
「敵が退くな」
「はい、大内家の援軍を見て」
「そうしはじめましたな」
「ではじゃ」
 それでというのだ。
「今よりじゃ」
「すぐにですな」
「陶殿と動きを合わせ」
「そうしてですな」
「そのうえで」
「尼子家の軍勢を叩く、そうしてじゃ」 
 元就の声が強いものになった、その声で家臣達に話した。
「勝つぞ」
「そうしますか」
「陶殿と共に敵軍を攻めて」
「それで決着をつけますか」
「そうじゃ、その様にする」
 こう言ってだった、元就はすぐに文を書きそれを忍の者に手渡し陶の下に送った。文はすぐに末に届き。
 彼はその文を読んだ、そうして周りにいる大内家の諸将に話した。
「おのおの方、この文を読んで頂けますか」
「毛利殿からの文ですか」
「それをですか」
「はい、どうか」
 こう言って読ませる、すると諸将も口々で言った。
「何と、これは」
「ここまで細かいとは」
「確かにこの様に動けば」
「尼子家の軍勢を大いに叩けますな」
「はい、そして尼子家に勝てまする」
 こう言うのだった。
「この度は」
「左様ですな」
「それではですな」
「これよりですな」
「毛利殿の言われる様に動きますか」
「そうしましょうぞ」
 陶は諸将に話した、彼が主将の座にいるが当主ではなくしかも大内家譜代の重臣も多いので低姿勢だ。
 そのうえでだ、こう言うのだった。
「これより」
「はい、それでは」
「攻めましょうぞ」
「毛利殿と共に」
 その諸将も応えた、そうしてだった。
 陶は自分と同じ大内家の家臣達と共に軍勢を率いてそのうえで尼子家の軍勢に向かった、もう尼子家の士気は落ちきり動揺しきっていて。
 大内家の軍勢を見ても動きは鈍い、そして元就もだった。
 勝機と見て軍勢を率いて夜に陶が率いる大内家の軍勢と合流してだ、陶に話した。
「ではこれよりです」
「毛利殿が先導されて」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「尼子家の軍勢にです」
「向かい」
「夜襲を仕掛けましょうぞ」
「そうしてですな」
「尼子家の軍勢を散々に破り」
 そうしてというのだ。
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