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ドリトル先生の競馬
第八幕その四
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「山道も平気ね」
「けれど馬はどうか」
 チーチーも思うことでした。
「やっぱり無理だよ」
「その無理をして勝つとか」
 ホワイティはどうかというお顔と声になっています。
「無茶もいいところだね」
「この辺りの山って六甲でしょ」 
 ポリネシアはこのことを指摘しました。
「あんなところが舗装されていないなら馬では無理よ」
「どう考えてもね」
「あんなところは無理だけれど」
 オシツオサレツもポリネシアと同じ考えです。
「それを果たすなんて」
「信じられないよ」
「だから僕も他に知らないんだ、奇襲は一杯あるけれど」
 それでもというのです。
「ああした奇襲はね」
「ちょっと以上にだね」
「ないもので」
「あんな奇襲は他にない」
「先生も知らないんだ」
「僕の不勉強かも知れないけれど」
 それでもというのです。
「他はないよ」
「というか本当に道産子で出来るの?」
「今の道産子で」
「六甲の山を進んで」
「それで下りるとか」
「しようとしたら絶対に止められるね」
 先生は断言しました。
「人も馬も危ないからね」
「だからだよね」
「どう考えても」
「そんなこと無茶だから」
「しないね」
「しないよ」
 先生はまた答えました。
「死んだら元も子もないから」
「義経さんは出来たけれど」
「それでも確かやった人は僅かだし」
「やっぱりそうそう出来ないね」
「そんなものだね」
「そうだよ、試しにね」
 それこそと言う先生でした。
「乗馬部の先生に聞いてみればいいよ」
「実際にそんなことが出来るのか」
「一ノ谷の戦いみたいなことが」
「僕達にも」
「そのことが」
「そうだよ、絶対にね」
 それこそというのです。
「普通は出来ないからね」
「そうしたものだね」
「やっぱり」
「じゃあ乗馬部の先生にお話しても」
「奇想天外なものだね」
「きっとね、けれど皆興味がありそうだし」
 先生はここで皆の表情を見ました、見れば実際にそうしたお顔になっています。それで皆に対して言うのでした。
「今日も乗馬部に行こうか」
「うん、じゃあね」
「そうしてね」
「乗馬部の先生に聞いてみましょう」
「実際に一ノ谷の戦いみたいなことが出来るか」
「そのことを」
「そうしてみようね」
 こうお話してでした、先生は実際にこの日も高等部の乗馬部に行ってそうして乗馬部の武田先生に一ノ谷の戦いみたいなことが出来るか聞いてみました、すると武田先生は先生にとてもというお顔で答えました。
「とんでもないです」
「とんでもないことですか」
「あんなことをすれば」
 それこそというのです。
「当時の馬でもです」
「落ちてしまいますね」
「僕もあの戦いのことは知っていますけれ
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