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神機楼戦記オクトメディウム
第11話 八雲泉美のガラホな日常
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を飼えるというスグレモノなのだった。
「さあ、パトちゃん。エサの時間でちゅよ〜♪」
 そのように泉美は生き物に話し掛ける人特有(?)の赤ちゃん言葉で以てエサ投入ボタンを押していく。その様は、端から見ると危ない人という印象を持たれる事儲け合いだろう。
 すると、画面上部からエサが降ってきて、後はそれをクラゲが食べるだけであったのだ。
 そして、彼女はそのクラゲに『パトリシア』と名付けているのだった。特に意味はなく、ただ語感が良かっただけの事らしい。
「お水も交換しなくちゃね〜♪」
 そう言って泉美は次に、水交換ボタンを押し、水槽の水の純度を100%にするのであった。
 実際に水棲の生き物を飼っていれば、彼等を傷つけないように一時的に他の水の中に移し替えるという手順が必要となるのだが、このアプリではそのような手間は必要なくボタン一つで可能なのだ。
 この辺り、実際に生き物を飼うよりも遙かにやりやすく、実際の命を預かる事もないのがペットアプリの利点であろう。実際にペットを飼いたい人は、まずはここから練習していくのも手かも知れない。
 そのようにして、ガラホの中でお手軽にペットの世話をした泉美は、いよいよを以て朝の洗顔や朝食といった通過儀礼へと向かっていくのであった。

◇ ◇ ◇

 その通過儀礼も終わり、彼女は後は登校するだけとなるのだった。後はいざ学校へ向かって歩を進めるだけなのだが、その前に彼女にはやる事があるのだった。
「さて、歩数計を起動させておかないとね♪」
 健康に気を配る彼女は、そう言って【歩数計】なるアプリを作動させるのであった。画面には大きく『0』の文字が出ている。無論、これが歩けば加算されて歩数を示す仕様である。
 そして、画面上部の左側に足跡のアイコンが点き、それが起動した証となっていた。
 そう、アプリにはケータイのバランス感知機能を活かした、歩数計として機能するものもあるのであった。
 しかも、100円ショップで売っているようなアナログ式の歩数計とは違い、デジタルに感知する為、その正確さも、後述するが使い方にもよるが確かなものなのだ。
 この事は、100円商品を愛用する千影が知ったら複雑な心境になる事儲け合いであろう。
(……千影さんにはナイショね)
 そう泉美は心に誓うのであった。憧れの人に、無駄な葛藤はさせまいという彼女の人知れない健気な配慮なのであった。
 そんな考えを脳内で巡らせた泉美は、もう一つの段階へと入る。
 それは、一旦【Nova Launcher】にしてあるホーム画面設定を、再び元のデフォルトのガラホのものへと戻すというものだった。
【Nova Launcher】は確かに便利であるが、本来のガラホに備わっているアプリではない為に、元のホーム画面で使える、ガラホの物理キー多
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