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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第29話 一霊と半霊様ご招待
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 勇美が鈴仙と『仲間』だと再認識されてから暫く時が経っていた。
 この日勇美は鈴仙の人里での薬の販売を手伝っていたのだった。
 そして、その仕事も一段落着いて、二人は茶屋で一息入れていた。
「ふ〜。勇美さん、今日の仕事はここまでですよ」
「思いの他、早く終わって良かったですね」
「それは、勇美さんが手伝ってくれたからですよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね」
 と言った風に二人は甘味をつつきつつ、会話に華を咲かせていたのだ。
 そして、鈴仙の言う事は一概にただのお世辞に留まってはいなかった。
 それというのも、勇美が薬を売る際の積極的で生き生きとした対応が薬の利用者とのコミュニケーションを円滑にしていたのだった。
 これには鈴仙は舌を巻くしかなかった。何故なら自分は人当たりが得意な方ではないからだ。故に、勇美のその実力は純粋に羨ましいと思ったのだ。
「それにしても、勇美さんには驚きましたよ」
「ほえ? なにあですあ?」
「……お団子食べたまま喋らないで下さい」
 少々行儀の悪い勇美を鈴仙は嗜める。
 勇美もそう言われて素直に団子を飲み込み、鈴仙の話をちゃんと聞く態度を取る。
「で、私の何に驚いたんですか?」
 改めて勇美は聞く。
「あなたの接客の様子にですよ。いや素晴らしかったです」
「目の付け所がいいですね。これはお金を稼ぐには必要でしょうから」
「お金ですか……」
 鈴仙はどこか狐につままれたような気持ちとなった。それはつまり……。
「私がお金の話をするのが意外でしたか?」
「!」
 正に今鈴仙が思っていた事を勇美が代弁してくれる形となった。図星を付かれて鈴仙は面食らってしまう。
「やっぱりそうですよね……」
「いえ、その……」
 勇美に指摘されて、鈴仙はたじろいでしまう。そんな鈴仙に対して勇美は続ける。
「いえ、いいんですよ。私自身、自分らしくないと思っているんですから」
「え? そうなんですか?」
 またしても意外な言葉に鈴仙は驚く。自分で振る舞っておきながら、『自分らしくない』とはどういう事なのかと。
「はい、本当はお金に執着しないで済むならそれに越した事はないと思うんですよ」
「それなら何で……」
「結局は世の中お金が必要って事ですよ。それが私が母親との暮らしで生まれた結論です」
 そこまで聞いて鈴仙は少し話が見えて来た気がした。確か勇美の母親は余り理想的な人ではないという事は依姫から聞いた事である。
「私は早く妹の楓と一緒にあの人のいる家から出たいと思っているのですよ。だから今からお金を稼ぐ術を身に付けて妹と一緒に幸せに暮らせるようになりたい、そういう事です」
「勇美さん、苦労されているんですね……」
 それを聞いて鈴仙が自分が恥ずかしくなり、落ち着かない心持ちになっ
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