暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十八話 入学前のその三十七

[8]前話 [2]次話
「千里ちゃんそんな感じで奇麗になって」
「それでなのね」
「デートとかすればいいわね」
「デートですか」
 そう言われるとです。
「まだ経験ないですけれど」
「高校の時も?」
「はい、そんなことは」
「あの子と一緒に歩いてない?」
「あの子っていいますと」
「だから後輩のね」
「阿波野君ですか」
「あの子とは何もないのね」
「はい、ないです」
 私ははっきりと答えました。
「そうしたことは」
「何か一緒にお墓地に行ったり神殿に行ったりしてるでしょ」
「それは」 
 別に、でした。
「何でもないですよ」
「そうなの?」
「はい、あの子が自然についてくるか」
 それか、あです。
「一緒にって言いますから」
「それで、なのね」
「一緒に歩いているだけで」
 本当にそれだけです。
「何もないですよ」
「そうなのね」
「はい、何でもないですよ」
「あの子はどう思っているのかしら」
「どうとも思ってないですよ」
 阿波野君にしてもです。
「絶対に」
「そうなの?」
「はい、あの子は只の後輩で」
 本当にそれでしかなくてです。
「私にも何ともです」
「思ってないのね」
「そうですよ」
 私に何か思ってるとかないです、絶対に。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ