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提督はBarにいる。
【500話達成記念】金剛のコスプレ撮影会
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「広報活動の一環として、ねぇ……」

「はい、是非とも!」

 昼下がりの執務室。そこで眉根に皺を寄せた提督が企画書を眺める。提出者は鎮守府の広報担当であり、『傍迷惑パパラッチ』とのアダ名(?)を頂戴している重巡洋艦・青葉だ。なんでも、俺と金剛の写真を撮って写真集にして自費出版本としてコ○ケに出したいんだとか。

「いや、金剛は解るけどよぉ……美人だから。って、背中を叩くなバカ!」

「も〜!darlingったらそんな本当の事を照れも無く言われると恥ずかしいネー?」

 なんて言いながら背中をバッチバチ叩いてくるウチのカミさん。こりゃ背中一面紅葉だらけだな……なんて事を考えながらも話を進める。

「でもよぉ、俺は写さなくてもよくねぇか?40後半のオッサンなんぞ眺めても面白くもねぇだろうに」

「いやいや!金剛さんの魅力は司令とあってこそ輝くんですよ!」

 青葉曰く、俺と居る時の金剛はキラキラと輝いて見える程に魅力的なんだとか。

「どうせ撮るなら美人な方がイイじゃないですか」

「そりゃまぁ……な」

「じゃあ、そういう事で!まずは日常風景から撮って行きますね!」

 そう言って青葉は密着取材と称して執務の風景やら店での語らいの風景を撮りまくっていったのが、数日前の話。

「う〜ん……」

 そしてその写真を撮った張本人は、現像した写真を前に腕組みをして唸っている。

「どうした青葉、写真は必要な分撮れたんだろ?」

「そうなんですけどねぇ……なんというかこう、目玉になるような写真が無いんですよね」

「そりゃそうだろ、俺らの日常を撮っただけなんだから」

 海軍という特殊な仕事場とはいえ、撮っているのは仕事風景。物珍しさはあるかもしれんが、購買客に『おっ!』と思わせるような物はないだろう。

「あ、じゃあさぁ、金剛さんにコスプレでもしてもらったらいいんでない?」

 と、青葉の隣から口を出してきたのは秋雲。しょっちゅう同人即売会に自分の作品を出品してるし、年2回の幕張でのお祭りにも参加し続けている筋金入りの同人作家・オータムクラウド先生である。

「コスプレかぁ……案外良いかも知れませんね」

「ま、アイツがいいって言ったらな?」

「え、何を他人事の様に言ってるんですか司令。司令もするんですよ?」

「は?するって何を」

「コスプレ」

「……はい?」

「だからコスプレですよ」

「えぇ……(困惑)」

 それは予想していなかった。




 店が終わった後、金剛にコスプレしてみるかと尋ねたらあっさり了承。しかも俺もやるならという条件付きで……勘弁してくれ。そして翌日、青葉に指定された部屋に行ってみると多数の衣裳とメイク台。
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