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おぢばにおかえり
第五十八話 入学前のその三十五

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「千里にとっては不愉快でもね」
「そう言ったのね」
「そうよ」
「その阿波野君も理解しないといけないのね」
「無理しなくていいけれど」
 それでもというのです。
「出来たらね」
「阿波野君がどうしてそう言ったか」
「わかることも大事よ」
「そうなのね」
「人は後悔するものだけれど」
 自分がしたことに後になってです。
「それでもね」
「出来たらその前にするなっていうのね」
「それがベストだからね」
 何といってもというのです。
「彼が言うことも一理あるのよ」
「そうなのね」
「あくまで出来たらだけれど」
 それでもというのです。
「最初からね、どんなに怒っても」
「先輩がご自身で言われた様なことはなのね」
「絶対にしたら駄目だから」
 そもそもというのです。
「彼もそう言ったし」
「そのことを怒ってもいけないのね」
「注意してもね」
「注意はいいのね」
「それはいいけれど」
 それでもというのです。
「立腹したら駄目よ」
「そうなのね」
「さもないとね」
 そうしないと、いうのです。
「ほこりを積むしね」
「そうよね」
「だからそのことは気をつけてね」
「わかったわ」
「そうしてね、ただその先輩は千里にとって凄くいい人ね」
 あらためて先輩のことを言うお母さんでした。
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