暁 〜小説投稿サイト〜
普通の人
第四章

[8]前話
「本当に」
「あなたもね」
「私も?」
「そうよ、付き合ってるでしょ」
 友人は自分の言葉に驚いた顔になっている美菜子にこうも言った。
「そうでしょ」
「それは夫婦だから」
「夫婦でもよ、本当に嫌だったらね」
 その時はというのだ。
「断るわよ」
「そうするものなの」
「けれどあれこれ言っても毎晩付き合ってるのはね」
 それはというのだ。
「あんたもよ」
「普通じゃないっていうの」
「大体お互い毎晩ってのが凄いわ」
 もうこの時点でというのだ。
「女の人はそうしたことは三十代からっていうけれどね」
「そんなことも言われるわね」
「けれどね」
「それでもなのね」
「あんたは毎晩だから」
 それでというのだ。
「三十代も後半になると体力落ちてそうした元気もなくなるのに」
「私はそれは別に」
「だからそうなること自体がね」
「凄いっていうのね」
「そうよ、かなりのものよ」
「そうだったの」
「そう、けれど夫婦仲がいいことはそれだけでいいことだし」 
 それでとだ、友人は美菜子に微笑んで話した。
「これからもご主人とね」
「仲良くっていうのね」
「やっていけばいいわ」
 こう言うのだった。
「普通じゃない人同士でね」
「私は普通だって思っていたけれどね」
「そう言うけれど誰だって何処か普通じゃないところあるでしょ」
「そう言われるとね」
「だったらね」
 それならというのだ。
「私もそうだし」
「あんたも」
「実は競馬好きだし」
「競馬するの」
「そう、旦那には内緒だけれど」
 それでもというのだ。
「女だけれどね」
「競馬するのね」
「そんなところもあるし。誰だって普通じゃないところあるわよ」
「人間完全に普通の人はいない」
「そういうものでしょ、だったらね」
「私の場合は」
「そうしたところが普通じゃないってことで」
 それでというのだ。
「やっていけばいいわ」
「そういうことね」
「ええ、普通の人同士仲良くね」
 友人はここではあえて美菜子も不忍も普通と言った、そしてだった。
 美菜子に今度は最近話題のタレントの話題をはじめた、美菜子もそれに乗ったがこの時の二人は普通の人の顔だった。


普通の人   完


                     2019・11・12
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ