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誰が恐れるか
第三章

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「粛清だ」
「チトー個人を」
「彼をそうしますか」
「ここは」
「そうしますか」
「そうだ、あの男さえ消せばだ」
 それでというのだ。
「かなり違うな」
「はい、確かに」
「ユーゴスラビアはあの男が柱です」
「それも絶対のものです」
「そう言ってもいいです」
「ならだ」
 チトーが柱ならというのだ。
「あの男さえ消してしまえばいい」
「では工作員を送りますか」
「ユーゴスラビアに」
「そうしますか」
「侵攻が無理なら暗殺してしまえばいい」
 スターリンは実に彼らしい言葉を出した。
「それだけだ、ではだ」
「これよりですね」
「チトーを暗殺しますね」
「そうしますね」
「邪魔者は全て消す」
 スターリンはまた彼らしい言葉を出した。104
「それだけだ」
「わかりました」
「それではですね」
「これより工作員達を送り」
「チトーを消しますね」
「そうする、ユーゴスラビアもソ連の傘下にする」
 この野心の下にだった、スターリンはチトーを消そうと工作員達を次々と送り込んだ、だがチトーはというと。
 部下達に極めて冷静にこう言った。
「国中に秘密警察を配しているな」
「はい、既に」
「そうしています」
「国のあらゆる場所に目を光らせています」
「そうしています」
「怪しい者は全員取り調べてだ」
 そのうえでというのだ。
「ソビエトからの工作員ならな」
「検挙ですね」
「全員そうしますね」
「まさに」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「私からスターリンに電報を送ろう」
「電報ですか」
「それをですか」
「そちらがそのつもりならだ」
 チトーは鋭い目で言った。
「こちらもやってやる」
「まさか」
「あのスターリンにですか」
「そうだ、刺客を送る」
 本気の目での言葉だった。
「そう電報を送る」
「スターリン本人に」
「そうしますか」
「同志ご自身が」
「スターリンは暗殺を極端に恐れているな」
 このこともだ、チトーは話した。
「そうだな」
「よく言われていますね」
「それは相当なものだとか」
「とかく暗殺を恐れてです」
「厳重な警備の中で生きているとか」
「その警備を掻い潜って暗殺出来る者がこの国にはいる」
 ユーゴスラビアにはというのだ。
「その者達を送る」
「そう電報で警告し」
「若しスターリンがさらに刺客を送ってくるなら」
「こちらもですか」
「そうする」
 こう言ってだった。
 チトーは実際にスターリン自身に電報を送った、するとスターリンはその電報を読み顔を歪ませて言った。
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