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八条学園騒動記
第五百六十五話 歌劇も観てその十

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「ラビさんの言うこと聞かないよ」
「絶対にそうよね」
「その場合はどうなるのかな」
「破門されるか」
「ユダヤ教から」
「イスラエル市民はユダヤ教徒でないと駄目なの」
 アンはこのことも話した。
「絶対にね」
「じゃあ破門されたら」
「イスラエル市民でなくなるのよ」
「他の国の人になるんだ」
「それが決まるまでの間宙ぶらりんよ」
 国籍が決まらず、というのだ。
「そうなってイスラエル市民のサービスもね」
「受けられないんだ」
「そうなるの」
「追放はされないんだ」
「あっ、そうなるケースもあるから」
 イスラエルでユダヤ教から破門されればというのだ。
「要注意よ」
「それは厳しいね」
「それか法律違反で」
「大食と姦淫で」
「大酒とね、その罪で警察が来ることもね」
 このケースもというのだ。
「有り得るわよ」
「あの、お話聞いてたら」
 ここまで聞いてだった、マルティはアンに思わずこう言った。
「イスラエルでの暮らしって」
「息苦しいっていうのね」
「あれも駄目、これも駄目で禁欲主義だよね」
「物凄くね」
「それってもうね」
「ええ、連合一息苦しい国よ」
 アン自身このことを認める。
「文句なしにね」
「そうだよね」
「とにかくまずユダヤ教で」
「ユダヤ教が絶対で」
「それで国も民族も出来てる様なものだから」
 俗にヘブライ民族とかユダヤ民族とか言われる、ただしその人種構成はかなり雑多なものになっている。
「厳しいのよ」
「そうなんだね」
「だから結構昔からね」
 アンはさらに話した。
「国出る人もいるのよ」
「他の国に移住するんだ」
「他の国だとユダヤ教徒でもあれしろこれしろとかね」
「言われないからだね」
「自分でどう律するかだから」
 そうなるからだからというのだ。
「ラビさんや警察が言わないし破門もね」
「ないから」
「それで他の国に移住して」
 そしてというのだ。
「暮らしてる人も多いのよ」
「厳し過ぎるのも問題かな」
「絶対にね、変わる気配もないし」
「ずっと厳しいままなんだ」
「だってイスラエルで一番偉い人って十二支族の長老さん達だけれど」 
 それぞれの支族の長老達である。
「この人達の石頭って日本の宮内省レベルだから」
「日本の宮内省の頭の固さは凄いよ」
 その日本人の菅が言ってきた。
「もう絶対に変わらないから」
「その宮内省と同じレベルだから」
 それだけにというのだ。
「もうね」
「変わらないんだ」
「頭の固いラビさんの中の一番偉い人達だから」
 それ故にというのだ。
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