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ドリトル先生の競馬
第五幕その六

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「僕を交際相手と考える人は」
「いないんだね」
「一人も」
「今そうで」
「これまでもそうだったし」
「これからもだね」
「僕は皆がいるしトミーと王子がいて」
 それでというのです。
「家族でいてくれているしね」
「奥さんはいいっていうのね」
「そこまでは願わない」
「もう家族に囲まれているから」
「寂しくないから」
「これでいいのね」
「そうだよ、寂しくないしね」
 それでというのです。
「もうこれ以上の幸せは望んだら駄目かとも思うし」
「そこがね」
 どうもと言ったのは王子でした、御神酒の日本酒がとても美味しいので次から次にゴクゴクと飲んで楽しんでいます。
「先生のよくないところかな」
「王子もいつもそう言うね」
「だってね、今の時点でだよ」
「充分過ぎる程だね」
「幸せって言うから」 
 それでというのです。
「そしてそれ以上は求めないから」
「よくないんだね」
「もっと幸せになってもいいよ」
「そうですよ、先生ご自身が言っておられますよ」
 トミーも御神酒を飲みつつ先生にお話します。
「人の幸せには限りがないと」
「何処までも幸せになれるとだね」
「言っておられますし」
「僕もだね」
「もっとですよ」 
 今以上にというのです。
「幸せになっていいですし」
「いい人と結婚して」
「そうなってもいいですし」
 トミーは先生にさらに言いました。
「相手の人もです」
「いるかな」
「絶対にいますから」
「僕はそうは思えないけれどね」
 全く、です。
「どうにも」
「もてないとですね」
「思うからね」
「それはですよ」
「発想を変えてだね」
「それで周りを見てみたらどうでしょうか」
 こう言うのでした。
「先生も」
「そうだといいけれどね」
「花火を見るのもいいですが」 
 花火は次から次にあがって奇麗な姿を見せ続けています、音が鳴ってそうして夜空に奇麗な花が咲いています。
「女の人もですよ」
「見ることだね」
「本当に人は外見ではないですし」
 大事なのは心だというのです。
「それで先生よりずっと駄目な人も結婚していますよ」
「そうそう、中には酷い人いるよ」
「奥さんや子供に暴力振るったりね」
「働かずに借金してそれでも偉そうに言ったり」
「何も正しいことを学ばないでね」
「お酒や麻薬に溺れたり」
「ギャンブルばかりするとか」
 動物の皆はそうした人を挙げていきます。
「そんな人いるじゃない」
「けれどそんな人でも結婚してるよ」
「そうして奥さんや子供さん泣かせてね」
「自分は平然としているからね」
「そんな人と比べたら先生なんて」
「どれだけいい人か」
「その先生なら」
 それこそというのです。
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