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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-B遭遇〜Huckebein 1〜
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幼女をステラと呼んだ青年に、ステラは手振り身振りで何かを伝えようとする。相槌を打っていた青年は「そうですか」と1つ頷いた後、リビングのソファで寛いでいる少女の方を見て、「アル、アルナージ、ちょっと・・・」と呆れた声色で名前を口にした。

「んぁ? んだよ、フォルティス。この肉はあたしんだ、やんねぇぞ」

少女アルナージは2つの骨付き肉を両手に持って交互に食べていた。彼女は青年フォルティスとステラの視線を受けて、持っていた肉や脚の短いテーブルの上に載っている料理を両腕で囲おうとした。

「それです、アル。ステラが言うには残りの食料が心許なく、そろそろ補給が必要そうだと」

「お前が食い過ぎなんだよアホ」

「ヴェイロン、あなたもお酒を飲み過ぎです」

「ほらー! ヴェイ兄だって飲みっぱなしじゃん! あたしだけが悪いわけじゃねぇ!」

「お前よりかはマシだ」

テーブルを挟んだもう1脚のソファに座って缶酒を呷るガラの悪い男ヴェイロンに、アルナージも言い返した。そんな彼らの様子を部屋の片隅でのんびりワインを嗜んでいた褐色肌の女性が「近くに補給できる世界はあるのか?」と尋ねた。

「ええ。第7管理外世界ダーハが近くにあります。魔法文化はありますが文明レベルは高くないので、こちらに損害はまず出ないでしょう。が、最も文明が栄えているネツァッハ首長国は人語を解すドラゴンが統治しているそうですよ。その強さもなかなかのものだとか。何年か前に管理局が管理世界入りを進言したそうですが、それを断ったことで今なお管理外世界の1つですね」

「ドラゴン? そいつはまた殺し甲斐がありそうじゃねぇか。最近は雑魚ばかりしか殺ってねぇからな、そろそろ楽しめる殺しがしたかったんだ」

「よせ、ヴェイ。わざわざケンカを売る必要はない」

「サイファーの言う通りですよ。僕らが殺しをするのは依頼や報酬があるとき、武器を向けられたとき、僕らの目的の障害となるとき、僕ら感染者が生きるのに必要なとき、そうでしたよね? まぁ強奪の邪魔をする住民くらいなら殺しても構いませんが」

女性サイファーとフォルティスから窘められたヴェイロンは舌打ちし、「わぁってる。で? 誰が奪いに行くんだ?」と新しい缶のプルタブを開け、ぐいっと酒を呷った。

「そうですね〜。最近、殺戮衝動が辛いという人はいますか? エクリプスウイルスに感染している以上、殺戮衝動からは逃れられませんからね」

フォルティスの口から出た殺戮衝動。それは管理局もまだ掴んでいない情報の1つだ。エクリプスウイルスに感染すると、感染者は肉体的・精神的な苦痛を伴うようになる。まともな精神と生命を正気に保つためには、人を殺し続けるしかないという副作用がある。フッケバインが殺人を行っている理由がソ
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