鹿目まどか
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
『フレイム スラッシュストライク』
ウィザーソードガンの刃先に、赤い炎が迸る。
「だああああ!」
紅一閃。その斬撃が、人々を絶望させる悪魔、ファントムを斬り払った。
残った燃え滓を眺めながら、ウィザードはハルトの姿に戻る。
「ふぃー。疲れた」
ハルトは肩をコキコキと回す。
「この町に来てからはや数日。大道芸にも場所が何と無く分かってきたけど、ファントム多すぎない?」
ファントム。ゲートと呼ばれる、魔力を持つ人間が絶望し、生き絶えることでその内より生まれる怪物。絶望を振りまき、同類を増やしていく性質のため、どの町にも少なからず存在している。
実際、これまでハルトが旅してきた中にも、ファントムが複数いる町はあった。だが、それでも週一で見つかれば多いという部類だった。
「一日一体は多いって。初日は四体も出てくるし」
そうため息をついたハルトへ、ピーピーと呼ぶ声がする。振り向けば、赤い雀大の鳥がいた。
プラスチックで出来たような体の鳥。それは、ハルトのことを全く恐れず、その周囲を旋回する。
「どうしたガルーダ? まだ魔力切れじゃないよね?」
だがガルーダと呼ばれた鳥の動きは止まらない。必死に鳴き声をかけるカルタの様子を見てハルトは少し顔を青くした。
「もしかして、またファントム?」
ガルーダがコクッと頷く。ハルトは頭を抱えて、
「またぁ? 少し多すぎない?」
口を尖らせる。だが、ガルーダにはそんなこと関係ない。早く行こうと言わんばかりに、ハルトの袖を引っ張る。
「わかったわかった、ちょっと待って」
ハルトは指輪をコネクトのリングに入れ替える。読み込ませた瞬間ハルトの隣に巨大な魔法陣が出現する。ハルトの背丈と同じ位の大きさのそれに手を突っ込むと内部からバイクが出現した。
「行くしかないよね」
ハルトはバイクに飛び乗り、ヘルメットを被る。
「じゃぁガルーダ、道案内お願い」
ハルトの声にガルーダ待ってましたと言わんばかりに駆け出した。
「さあ、死への恐怖で絶望してファントムを……」
「挨拶代わりのキックストライク!」
「ぎゃあああ!」
ファントムの姿を見る前にその姿が爆炎に包まれる。
今日だけでも何件目だろうか。変身を解除したハルトはアスファルトの上で大の字になる。
「もういや! もう無理! 今日だけでこれまでの討伐数更新しているんじゃないの?」
そんなことない、とガルーダが頭上で左右に揺れた。
ハルトはむくりと起き上がり、戦いには一切関与していないガルーダを睨む。
「いいよなぁ使い魔は。俺みたいな肉体労働じゃないんだから」
するとガルーダは、そんな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ