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ソードアート・オンライン 八葉の煌き
「代わり」の意味
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りを見ておくのも悪くないような気がした。
なにやら周りでは賭け事も始まっているようだ。無論勝敗が見える俺は乗ってキリトに賭けられるだけ賭けた。500コル。2.5倍だから1250コルのリターンがある。単純計算で750コル、結構美味しい儲けだ。
「さてさて…お手並み拝見としますか。」
なぜか売られていたポップコーンモドキを口に放りながら俺は観戦する事にした。

その勝負はキリト君の圧勝だった。武器破壊…血盟騎士団と言う最強クラスのプレイヤーが集うギルドの副団長である私でさえ滅多に見たことのない光景…その決闘(デュエル)が終わってから戦っていた二人も含めて暫くは誰も口を開かなかった。
ただ一人を除いては。
「武器破壊なんて味な真似をするじゃん。」
思わず私はその声に振り向いた。聞く前からわかった。このゲームのその前…それどころかもう10年以上前から、聞きなれた声。
「アリオス!?いつから…」
(むこうで)なら決して似合うとは私は言わなかっただろう、一際目を引く真紅のローブに身を包んだ日本人にはあまりいないから誰もが染めたと疑った蒼髪の大太刀を背負(しょ)った少年が腕を組んで此方を見ていた。
アリオスはにこやかな顔で手を叩いた。
「うん、中々お目にかかれない光景だ。流石だねキリト。」
キリト君はアリオスとは対照的に苦い顔をしていた。手の内を人前で見せたくなかったのかな?
「お前までこんな所で何をしてるんだよ?」
「攻略に決まってるだろ?それにしても派手にやったねえ、武器だけじゃなくて心もへし折られたかな?」
最後の部分は未だ信じられないと言った様子で折られた大剣を見つめているクラディールに向けていた。
「あ…アリオス……様。なぜ…ここに?」
「キリトに言ったのが聞こえなかったのかいクラディール、攻略だって言ってたろう?
 にしても随分激しく負けたね。」
「…………………」
「良い負けっぷりじゃないか。体力は全く削られていないのに、誰がどう見てもこれはお前の負けだ。」
そう言った後一瞬こっちをみてウィンクした。顔が良いのもあって中々決まってる。
「…任せても良いってことかしら?」
俺に遠慮せずに二人っきりでの状況を楽しんで来い…そこまでの意図があったのかは流石にわからないけどそう好意的に解釈して私は軽く頭を下げた。

視界の端にアスナがキリトの手を引いて走っていくのが見えた。俺の心が通じたみたいだ。嬉しいやら複雑なのやら。
「アリオス様!私は……」
おっと、今はこっちに集中しなきゃいけないか。我ながら貧乏くじを引いたと思うよ。
「うんうんわかるよ、キリトにむかついたんだろ?」
そう言ってやるとクラディールの顔は反射的にパッと輝いた……安い人間だな。
「あいつソロの癖にやたら強いからな…けどそれが私闘を許す
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