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ドリトル先生の競馬
第三幕その九

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「ドイツの人口の何割か」
「それだけの人が行くとなると」
 それにと言ったのは老馬でした。
「民族大移動位だね」
「とにかくドイツ人はイタリアが好きなのかな」
 ジップはこう思いました。
「心から」
「これ昔からみたいだし」
 ポリネシアはこのことを知っていました。
「ドイツが神聖ローマ帝国っていう国だった時から」
「あの国はドイツとイタリアだったね」
「オーストリアとかベルギーも入っていて」
 オシツオサレツが二つの頭で言いました。
「それで中心はね」
「ドイツとイタリアだったね」
「ドイツは冬が長くて寒くて気候も悪いね」
 先生がドイツ人がどうしてイタリアが大好きなのかと思う皆にお話しました。
「土地もよくないし」
「ああ、そうえばね」
「そんなところだね」
「それで貧しかったね」
「ジャガイモが入るまでは」
「ジャガイモを食べる様になるまでね」
 ドイツはというのです。
「食べるものもあまりなくて」
「寒くて土地もよくないから」
「それでだよね」
「このことはイギリスも同じだったけれど」
「ドイツもそうだったわね」
「それに対してイタリアはね」
 この国はといいますと。
「暖かいし青空の日が多くてね」
「土地も豊かでね」
「食べるものも美味しいし」
「もうドイツと正反対」
「そんな風だから」
「それでドイツは昔からなんだ」
 それこそ神聖ローマ帝国だった時からというのです。
「イタリアが好きだったんだ」
「それで旅行もよく行って」
「イタリア料理も食べている」
「そういうことなんだね」
「そうだよ、フリードリヒ大王も食事にいつもフランス料理だけでなくイタリア料理も出させていたし」
 この人もというのです。
「彼が言っていたワーグナーもイタリア好きでよく旅行に行っていたよ」
「ああ、あの人もなんだ」
「イタリア好きだったんだ」
「文豪のゲーテも好きだったし」
 今度はこの人の名前を出すのでした。
「ビスマルクもヒトラーも好意的だったね」
「政治家もなんだ」
「イタリアが好きだったんだ」
「政治的、戦略的な理由があったにしても」
 それでもというのです。
「イタリアが好きだったんだ」
「ううん、何というか」
「ドイツは国としてもイタリアが好きかな」
「国民の人達も好きで」
「それでだね」
「そうだと思うよ、少なくともね」
 先生は笑ってこうも言いました。
「我がイギリスとフランスの関係とは違うよ」
「それは仲悪いじゃない」
「イギリスとフランスなんて」
「それこそね」
「どれだけ仲が悪いか」
「今は戦争していないけれど」
「それでもじゃない」
 動物の皆も二国の関係についてお話します。
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