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神機楼戦記オクトメディウム
第1話 戦いは始まっている
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「うわー!」
「きゃー!」
「逃げろー!」
 辺りには喚き叫ぶ声と、それを発する逃げ惑う大勢の民間人とが存在していた。
 そのような状況を一言で説明するなら、『異常事態』それに尽きるだろう。
 そして、人々をそのような阿鼻叫喚の混乱に叩き込んでいる『者達』の存在、それも常軌を逸していたのであった。
 その者達は、果たして『者』として呼んでいいのかすら甚だ疑問が沸いてくる所であろう。
 何せ、その概要がこの世に存在している生物という所に該当しているのかすら怪しいのだから。
 彼等のその形だけならば、現実に存在している蜘蛛のように二つの節に分かれた体に、八本の足というものである。
 だが、彼等が蜘蛛と呼ぶ事が出来る要素は『それだけ』であったのである。
 まず、形は蜘蛛のそれであるが、その体を構成しているのが、タンパク質で作られた細胞からなる『肉体』ではなく、鋼により構成された機会仕掛けとなっているのだ。
 この時点で、彼等を生物と普通に呼ぶ事ははばかられるだろう。
 加えて、根本的な所へ話題を向けると、その体躯が全高8メートルにはなろうかという話に落ち着くのであった。
 この世でそのような巨体を構成する生物はクジラ、動植物全て含めばセコイアなる大樹が含まれるであろうが、そのような存在はごく限られているのである。
 それらの条件を合わせて見れば、『彼等』が如何に生物と扱うのに疑問が残るかが分かるだろう。
 そんな彼等は『怪肢(かいし)』と呼ばれる機械生命体という事が判明していた。
 そのような概念が、街中に一体のみならず、二体、三体と次々に現れているのである。
 これを、地獄絵図と呼ばず何と称すればいいというのだろうか?
 まさに今の状況は『絶望』の二文字がこれでもいうかという程に当てはまるのであった。
 このままでは、街中の人々に犠牲者が出てしまうだろう。
 しかし、この世には必ずとは言えないが、希望という概念が見捨てないでくれる事も多いのである。それは、今のこの惨状でも例外では無かったのであった。
 今のこの騒動を解決すべく、ここに二人の人影が現れる。
「姫子……やるわよ」
 まず口を開いたのは、鮮やかな紺色の髪をロングヘアーをなびかせた少女であった。その様は、まるで高級な織物を彷彿とさせる程であった。
 そして、年齢は16歳程であろうか、その若々しさもあって、彼女の印象は聖女か何かだと思わせるレベルである。
 そんな生ける芸術な少女に言葉を、もう一方の者は返す。
「うん、任されたよ、千影ちゃん♪」
 妖艶な少女──千影に対して、姫子と呼ばれた者はその胸を張って頼もしげに言い切るのであった。
 そして、頼もしいのは態度のみならず、その肉量も含めてであった。この少女の胸は神の施しをされたかの如くそのサイズ
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