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雲は遠くて
156章 川口信也と 高校1年生の 森下 きな

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156章 川口信也と 高校1年生の 森下 きな

 2020年の5月6日。朝から、世田谷区の下北沢は、
曇り空で、午後から 雨も ぱらついている。

 川口信也(しんや)は、マンションのリビングで、今朝の8時に放送された
NHKの連続テレビ小説『 エール 』第28話を 見終わったところだ。

 いまも 世界中で 猛威を振るう 新型コロナウイルス による 肺炎で、
3月29日に逝去した 志村 けん が 演じる 小山田 耕三も 登場した。

 スマホの LINE 通話の 着信音が 鳴る。

 知りあったばかりの 高校1年の 森下 きな からだ。

「はーい、きなちゃん」と 信也。

「志村 けん、よかったね」と きな。

「もう これが最後なのかな?志村けんの出演は」と信也。

「そうだと思うよ。さびしいね」と きな。

「志村けん、いい演技だったよね」と信也。

「うん」と きな。

 森下 きな は、「今から勉強するから」と 言って、LINE 通話を切った。

 緊急事態宣言が延長されて、きなの高校も、5月末まで 休校となった。

 信也は、高校1年の 森下 きな と、これから どんなことになっていくのかと、
ちらっと想像した。

・・・志村けんさんは 生涯 独身で、恋多き人生だったっていうけど、
オレも、志村けんさんみたいな、生涯 独身の人生になるかもしれない。
まさか、高校1年生の きな を好きになっちゃうとは なあ。
こんなんじゃ、ふつうの 結婚なんて、オレには できそーもないよな。
でも、こんなオレのことを、志村けんさんなら 理解してくれると思う。
オレも、ロックミュージシャンを 返上して、尊敬する志村けんさんのような
立派な コメディアンでも 目指そうかなあ・・・

 2月23日に30歳になった 信也は、そんなことを思いながら
自嘲(じちょう)の笑いを 浮かべて 頭をかいた。

☆参考文献☆

NHK・朝ドラ・『エール』
https://www.nhk.or.jp/yell/

≪つづく≫ --- 156章 おわり ---

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