暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第二部
My Enemy
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自身の【魔晄外装】であり、【魔術師】の【異能】が宿る人形を全て破壊されてしまった《レックス・ディヴァイザー》はもう異能を使えない。

少なくともこの戦闘が終わるまでは《立華紫闇》と《クリス・ネバーエンド》は外装の再召喚を許さないだろう。

それでも関係ないとレックスは構える。


「私は外装を複数出せる『特質型』の魔術師ですが基本は『独立型』なので身体強化に使える異能以外での身体強化は出来ない。魔晄操作を紫闇(あなた)くらいまで使えれば別ですが」


レックスが溜め息しながら自嘲。


「独立型は『神経』こそ強化されますが体が着いていけないんですよ。しかし、だからと言って諦めるつもりは有りません」


紫闇は弱体化したレックスに対して突撃し、顔面に向かって渾身の拳撃を放つ。

異能と外装が無いのに容赦しない。


(独立型は癖の強いトリッキーな異能が多い。それを操る魔術師の強化はレックスの言う通り神経しか強化されないと来てる。つまり俺みたく黒鋼流の練氣術みたいな技術や異能を使わなければ神経以外、普通の人間と変わりないってことだ)


独立型は直接的な戦いを外装に任せきりであり、魔術師本体に一発でも攻撃を喰らわせることが出来ればそれで終わりが大半。

但し強い奴は極端に強いピーキーなタイプの魔術師でもある。

その強い独立型でも強いのは魔術師でなく外装と異能の方であり、本人が脆いことは何ら変わらないのが常識。

しかし紫闇は知っている。

初めて見た時のレックスは魔晄防壁だけを纏い、外装すら出さずに二人の学生魔術師をそれぞれ手刀の一振りで鎮圧して見せた。


(だからこの男には油断できない。異能と外装が無かろうと独立型で有ろうと手加減せずに仕留めるつもりで攻める!)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


紫闇の判断は結果として間違っていなかったがそれは予想を超えたものだった。


「ゴフッ!!」


紫闇の体が浮く。

後方へと飛ばされる。

渾身の拳をあっさりと躱したレックスは紫闇の喉に向かって貫手を突き込んだのだ。

地面に落ちて()き込む紫闇に対してレックスは再び構えながら告げる。


「先程に申し上げた通り、私は特質型ですが仕組みは独立型です。しかし他の独立型とはちょっと違うんですよ」


喉に詰まった血反吐(ちへど)を吐き出した紫闇がレックスの方を向いて息を整えていく。


「貴方のように特別な魔晄操作をしているというわけでは有りません。私はただの『修練』で体を鍛えることによって独立型の魔術師が出せる身体機能の限界を超えました。これによって貴方に近い動きが出来ます」


その言葉には闘志が(こも)っていた。


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