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リリなのinボクらの太陽サーガ
離別のファクター
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元々あの人達は命令系統的に言えば三提督かハラオウン艦長の指揮下だから、レジアス中将の指揮下には入ってない。おまけに今はアースラ救助部隊として外へ出ているから、ここにはそれこそ事務官や技術者、オペレーターなどといった後方支援か事務系の役職しかいない。まともな戦力としては見込めないのだ。

「弱音を吐きたくはないが、俺も仲間達も限界に近い。あえて言わせてもらうが、覚悟はしておけ……」

「なるほど……お前までもがそう言うとは、な……」

旧知の間柄だからか、それとも最も信頼しているからか、レジアス中将はゼスト隊長が暗に“戻れない可能性”を示唆したことに渋面を浮かべた。

執務室を出た俺とゼスト隊長は、仲間と合流すべくエレベーターに乗って下に降りる。その時、ゼスト隊長が静かに語った。

「ティーダ執務官、これはここだけの話だ。もしもの時が来たら、お前達はアウターヘブン社を頼れ」

「隊長?」

「レジアスの手前言えなかったが……管理局の時代は終わろうとしている。これまでいくつもの腐敗が見つかり、都度対処してきたが……もはや管理局内において違法行為は常習化している。利益になるなら何をしてもいいという思考が、当たり前になってしまっているのだ」

そう言ってゼスト隊長は俺に一枚のディスクを渡してきた。カバーケースには……『プロジェクト・ディーヴァ/コスモス』と書かれていた。

「これは?」

「俺の……誠意だ」

「誠意?」

「いや、正直に言おう。これは彼女への謝罪だ。俺が彼女を捕らえたことで、レジアスの正義が人道を外れた。このディスクには奴が密かに進めていた研究に関して、俺が掴んだ情報を記録している。俺の力が道を外すきっかけを与えてしまった以上、責任をもってこれの始末もやるつもりだったが……」

「彼女の仲間から痛いしっぺ返し喰らったからなぁ……」

「オーリスはこういう話ではアイツ側だ。彼女にもこのディスクの存在を知られる訳にはいかん。故にもし俺が倒れたら……管理局でアイツの正義を諫める者がいなくなる。だが、アウターヘブン社は今では存在そのものが管理局への抑止の効果を発揮している。アイツの暴走を止めるなら、彼らの助力が必要不可欠だ」

「今更、助けてくれますかねぇ。先に手を出したのこっちだし……」

「お前なら大丈夫じゃないか? 管理局員の中で、お前だけは歌姫との接点がある。あのテスタロッサや八神といったサバタの関係者を差し置いて、な。俺やクイントでは会っても敵だと認識されるが、お前だけは辛うじてそうならないだろう。だからお前にディスクを預けた。しかしだ、あくまで敵だと最初に思われないだけでその先は別だ。……後の事は任せるぞ、ティーダ?」

「いやいや、不謹慎なこと言わないでくださいよ〜。上司がそ
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