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森の城
第四章
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「このお城の外にあったわね」
「そうだったな、城の外に街があるのか」
「日本ではそうなのかしら」
「不思議な造りだな」
「ええ、街を護る壁もなくて」
「城が街であるのではなく」
「街はお城の外にあるなんて」
 このこともとだ、二人は不思議なものを見ている目で話した。そうした話をしつつだった。城の主のところに行くと。
 老人と老婆がいた、二人共オベローン達から見れば実に不思議な服だ。 
 ボタンがなく紐で止めている、そして袖のところも広くズボンにあたる服もぶかぶかな感じだ。その服を着てる老人と老婆がだ。
 二人を迎えてこう言ってきた。
「お話は伺っておます」
「パック殿から聞いております」
「ですから是非です」
「おくつろぎ下さい」
「では」
 二人は老人と老婆の言葉に頷き案内された部屋、不思議な草で作ったと思われそれを幾つも合わせたものの上に出た。
 その不思議な床を見てだった、オベローンはティターニャに話した。
「この床は畳というらしい」
「畳というのね」
「そして扉はな」
 その紙で奇麗な絵が描かれたそれも見て話した。
「襖というらしい」
「この窓は」
「障子というものらしい」
 そちらはそうだというのだ。
「何でもな」
「不思議なお部屋ね」
「部屋もな、服は私達が持ってきたものでいいらしいが」
 それでもというのだ。
「温泉や食事もあるとのことだ」
「お風呂もあるのね」
「それも時間になるとな」
 その時にというのだ。
「案内してくれるとのことだ」
「そうなのね」
「男の風呂と女の風呂、男湯と女湯があるらしい」
「分かれているの」
「昔はそうではなかったと聞くが」
「まさか」
「そのまさかだ」
 こう妻に話した。
「混浴だったという」
「それはまた」
「あちらはな」
「そうした国だったのね」
「そうしたことにはかなり寛容だったらしい」
「信じられないわね」
「そうだな、だが私は入る」 
 温泉にとだ、オベローンは言った。
「そして楽しんでくる」
「では私もよ」
「お互いにどんな湯だったか話すか」
「それがいいわね」
 ティターニャは夫の言葉に微笑んで応えた、そしてだった。
 二人はそれぞれの湯に入り身体を清め湯舟に入って身体だけでなく心も洗った、湯舟にはじっくりと入り。
 部屋に戻るとティターニャは夫に笑顔で話した。
「素敵だったわ」
「そちらの湯はだな」
「本当にね、全てが癒されたわ」
「私もだ、実にいい湯だった」
 オベローンも笑顔で言った、二人共自分達の服を着ていて城の浴衣にはなっていないがそれでもくつろいでいる気持ちだった。
「最高だった」
「そうね」
「湯の景観もよかったしな」
「竹ね、あの木と岩がいい具合に置かれ
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