第二章
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そんな中だった、ふと。
家に一匹の野良猫がたまたま開いていた窓から入ってきた、黒に近い灰色の毛の普通位の大きさの猫だった、野良猫らしく毛は乱れていて痩せている。
「ニャア」
「ワン？」
その猫が来てだ、ゴンのところに来た。妻はそれを見て自分の部屋でゲームをしていた夫を呼んで言った。
「ねえ」
「猫か？」
「うちに入ってきたのよ」
「最近この辺りにいる猫だな」
夫はその猫を見て言った。
「そうだな」
「ええ、そうよね」
「その猫が来たか」
「何かゴンに何か色々話し掛けてるけれど」
その猫を見て言う。
「ゴンのことが気に入ったのかしら」
「そうかもな」
夫もその様子を見てそうかと思って応えた。
「これは」
「だったらね」
「だったら？」
「あの子もうちで飼わない？」
家に入って来た野良猫もというのだ。
「そうしない？」
「そうしてか」
「ゴンと一緒に来てもらわない？それにうちに来たのも縁だし」
このこともあってとだ、妻は夫に話した。
「それならね」
「うちに入れて」
「そしてね」
「ゴンと一緒に来てもらうか」
「それにうち今猫いないでしょ」
「僕達猫も嫌いじゃないしな」
「それなら余計にいいでしょ」
犬だけでなく猫も嫌いではない、それならというのだ。
「余計にいいでしょ」
「そうだな、じゃあな」
「野良猫は何時保健所に連れて行かれるかわからないし」
「今のうちにな」
「うちの猫にしてもらいましょう」
「それじゃあね」
二人で話してだ、そしてだった。
二人はその猫も飼いはじめた、子供達も賛成してくれたので猫を正式に家族にした。猫は雄であり名前はキンとした。
キンは家に入るといつもゴンと一緒にいた、いつもゴンに話し掛けていて遊んでいる。最初ゴンは困った感じだったが。
少しずつキンに応える様になってだった。キンと目が見えないながらも出来る限りのことをして遊んだ、その二匹を見てだった。
夫は妻にこう言った。
「犬は鼻がいいからな」
「ええ、匂いでね」
「キンがわかるんだな」
「そうみたいね」
「そのこともあってな」
犬の鼻、恐ろしまでにいいそれの為にというのだ。
「キンがわかるんだな」
「そうみたいね」
「それにな」
彼はさらに言った。
「そのキンといつも一緒にいてな」
「お話してね」
犬と猫同士でもだ。
「遊んで」
「ゴンも昔の明るさを取り戻したな」
「そうね」
実際にとだ、妻もその二匹を見て言う。
「見えなくなってからずっと塞ぎ込んでいたけれど」
「若しゴンだけだったら」
「ずっと暗いままで」
塞ぎ込んだままでというのだ。
「それでね」
「ゴンにとってもよくなかったな」
「ええ」
実際に
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