暁 〜小説投稿サイト〜
オズのハンク
第十一幕その五
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それか宮殿にいるわ」
「エメラルドの都の」
「どちらかよ」
「そうか、まあ縁があったのなら」
 それならとです、ラー神はトロットの返事を聞いて述べました。
「今日ここに来るだろう」
「だからその時になのね」
「おもてなしをしよう、さてそろそろお祭りがはじまるから」
 それでとです、ラー神はまた言いました。
「ピラミッドの住人達が来たぞ」
「人間やマミーに」
 ハンクも彼等を見て言います。
「スフィンクスに神々もだね」
「そうだ、皆来ている」
「アヌビス神も来られてるけれど」
 ハンクはこの神様を見てこうも思いました。
「入り口の番は」
「大丈夫だよ、あの石のスフィンクスがいるのだから」
「ああ、あのスフィンクスだね」
「そう、彼がいてくれるから」
「入り口の番はだね」
「アヌビス神も入り口に異変があればすぐに察して」
 そしえというのです。
「すぐに戻るからね」
「だからだね」
「心配は無用だよ、アヌビス神はあそこにすぐに戻れるし」
「どうして戻るのかな」
「アヌビス神はジャッカルの頭を持っているね」
 このことから言うのでした。
「だから駆けるとね」
「ジャッカルみたいに速いんだね」
「むしろジャッカルより遥かにだよ」
 それこそというのです。
「駆けられるからね」
「入り口まであっという間になんだ」
「戻れるからね」
 それでというのです。
「心配は無用だよ」
「だからアヌビス神もだね」
「毎年お祭りに参加しているのだよ」
「さて、それでは」
 今度はメジェド神が楽しそうに言ってきました。
「いよいよ踊って飲んで食べようね」
「そういえば貴方どうして踊るの?」
 トロットがメジェド神に尋ねました。
「一体」
「この身体でだね」
「ええ、やっぱり足でだね」
「タップダンスは大の得意でね」
 それでとです、メジェド神はトロットに答えました。
「この身体で自由にね」
「踊るのね」
「手がなくても不自由しないって言ったね」
「ええ、神通力があるから」
「ものは持てなくても」
「自由に使えるから」
「だからね」
 それでというのです。
「手は使わなくてもいいし踊りもね」
「足で出来るから」
「不自由していないよ」
「そうなのね」
「どんな身体でも踊れるじゃないか」
 メジェド神はトロットにこうも言いました。
「そうだね」
「そうね、言われてみれば」
 実際にとです、トロットも頷きました。
「人の手足があってもなくても」
「踊りは出来るよ」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕も踊るんだよ、そして飲んだり食べたりもするけれど」
「内臓をよね」
「食べるよ、ホルモンもレバーも」
 そのどれもというの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ