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おっちょこちょいのかよちゃん
47 喘息のハンデ
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コンクールで一番だと思うんよ!」
「かよちゃん・・・、うん、ありがとう!明日も練習しなくっちゃ!」
「うん、そうだね」
 その会話をよそに杉山はある事を考えていた。
(缶蹴りやっていた時に咳・・・。それから、プールに入る事を嫌がる・・・。違うな、カナヅチとかじゃないな)

 その後、皆はドッジボールをして楽しんだ。かよ子はそこでも足を滑らせてよけきれずにボールに当たったりとお約束のおっちょこちょいをやってしまった。
「はあ、疲れた」
「今日は楽しかったわ。ありがとう」
「ああ、りえはこれから練習か?」
 大野は聞く。
「うんっ」
「大変だね」
「そんな事ないわ。ピアノ弾くのは好きだし、楽しいし・・・」
「そうだよね。私もピアノやってるけど、弾いてみて楽しく感じてるんだ」
「たまちゃんもピアノやってるのっ?」
「うん、でもりえちゃんほどじゃないけどね・・・」
 その一方で藤木はピアノが上手い子は本当に可愛いと思った。
(そうだよな、ピアノ上手い子は本当に可愛いよな・・・。笹山さんだってそうだし、いっそりえちゃんにも何かアピールできたらな・・・)
 そして藤木は何か言おうとする。
「ぼ、僕もピアノじゃないけど、スケートは得意なんだ!それで将来はオリンピックに出たいって思ってるんだ!」
 しかし、藤木の発言で盛り上がる事はなかった。
「藤木〜、スケートは冬だよお〜」
「う・・・」
「じゃ、せめて冬休みにでもまた清水(ここ)に来たら見せてあげるよ」
「うーん、来れるかどうか分からないわ・・・」
 藤木のアピールは空回りに終わった。皆はそれぞれの家を紹介した。
「私の家はあっちだよ」
「俺んちは向こうだぜ」
「あ、あそこが私の家だよ」
「そうなんだ。私のおばあちゃんの家はこっちよ」
「へえ、かよちゃんちとそこまで離れてないね」
「ほ、本当だ・・・」
 りえの祖母の家はかよ子の家とは曲がり角を2つ超えたほどだった。
「それじゃ、また明日ねえ〜」
「うん、バイバイっ!」
 皆は別れた。だが、かよ子は大野と杉山の跡を追いかけた。
「あ、あの、杉山君・・・」
「どうした、山田?」
「りえちゃんの事なんだけど・・・」
「りえがどうかしたか?」
 かよ子は思い切って言ってみる。
「杉山君はどう思ってるの・・・?」
「ああ、気が強くて乙女じゃないぜ。もう男と言っていいかもな」
「そっか・・・。でも、やっぱり気のせいかな?」
「何が気のせいだよ?」
「あの・・・。な、何でもない・・・!!」
 かよ子は杉山はりえに好意を持っているのではないかと聞くのをやめた。怒鳴られると思ったから。
「でも、お前、りえの事何か知らねえか?」
「え?」
「あいつ、缶蹴りしていた時、せき込んでいたのを見たん
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