暁 〜小説投稿サイト〜
ガールズ&パンツァー 戦車道 雄型 大洗雄型第1分隊 戦闘記
プロローグ
[1/9]

前書き [1] 最後 [2]次話
<?Side>
記憶にある限り、俺の中で”最も古い家族”との記憶だ……。

確か俺が4歳ぐらいの頃……。
とある日の昼飯時、俺が訳も分からずお昼のワイドショーを見つつ、昼飯をかっ込んでいる。
そのワイドショーでは、MCが原稿を片手に専門家の先生、コメンテーターの芸能人たちと議論を交わしている。
『先生、先の火砕流では多くの報道関係者や消防団等が巻き込まれ、犠牲になると言う大変凄惨な物でしたが、今後も同様の火砕流が起きる可能性が高いのでしょうか?』
『えぇ……今回噴火した火山は過去に何度も大きな火砕流を起こしている危険な火山です。ですから、今後も先の火砕流と同じ規模の……』
……と言った感じで4歳だった俺には何のことか分からないことをグチグチ話すのを聞きつつ、ふと玄関に目をやると陸上自衛隊の迷彩服……迷彩服2型に身を包んだオヤジが母さんと話していた。
「……でも」
「心配するな……必ず帰ってくる。龍を頼むぞ」
よく覚えていないが、そうオヤジと言葉を交わす母さんの眼には涙が浮かんでいた。
4歳だった俺には、この時母さんが流した涙が理解できなかった。

(母ちゃん、大人のくせして泣いてる……)

理解できないが故、そんなガキまるだしの事を思いつつ、休むことなく昼飯を掻っ込んでいると玄関のドアを叩く音と共に迷彩服2型に身を包み、頭に66式鉄帽を被った自衛官が「失礼します」と言いつつ、部屋に入ってくるなり敬礼しつつ、こう続けた。
「喜多川二佐、お迎えに参りました」
「ご苦労、状況は?」
「……龍、こっちに来なさい」
そう迎えに来た自衛官と言葉みじかに話している親父を見つめていると、俺はやってきた母さんに抱っこされるような形で玄関に向かう。
これに訳も分からず、口の周りに昼飯の食べかすを付けた状態で親父の元に母さんによって抱き抱えられてきた俺。
そんな俺に対し、親父は短くこうポツンと口を開いた。

「龍……母さんを頼むぞ」

この言葉の意味が理解できないまま、俺は母さんに抱き抱えられたまま、玄関から出ていくオヤジの姿を見つめるのだった……。





……

………



それから約13年が経った今現在、大洗学園と聖グロリアーナによる戦車道の練習試合が行わている大洗町にある戦車道専門の試合会場に俺は居た。
試合会場の一角、凄まじいキャタピラの金属摩擦音とエンジン音、それに伴う土煙を上げて、草が転々と生えている岩場を隊形を組みつつ、前進しているのは”チャーチル歩兵戦車”1台と”マチルダ2歩兵戦車”4台。
その後に続く様に1台の”トータス重駆逐戦車”と3台の”セントー巡航戦車”が同じように体型を組んで前進する。

「おー、聖グロさん凄いの持ってきたな〜……あー、めんどくさそう……」

前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ