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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第4節「胸に力と偽りと」
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「なんだぁ!?」
「黒い……ガングニール!?」
「第四のシンフォギア、だとぉ!?」
「それに、フィーネだって!?」
「どういう事なの……!?」

ライブ会場へと向かうヘリの中、響達もまた驚愕する。

カメラの向こうで、マリアが黒いガングニールをその身に纏い、その上で確かに“フィーネ”と名乗ったのだ。

困惑に包まれながら、ヘリは空を往く。
ライブ会場到着までの時間は、残り20分……。

ff

「我ら武装組織フィーネは、各国政府に対して要求する。そうだな……さしあたっては、国土の割譲を求めようかッ!」
「バカな……」

誰もが抱いた率直な言葉が、翼の口をついて出た。

あまりにも無茶苦茶な要求だ。
身代金に国土の割譲を要求するテロリストなど前代未聞である。

控えめに言っても、とても現実的ではない。

「もしも24時間以内にこちらの要求が果たされない場合は、各国の首都機能がノイズによって不全となるだろう」
「……どこまでが本気なのか」
「私が王道を敷き、私達が住まうための楽土だ。素晴らしいと思わないか?」

独裁者が民達へ向けて宣言するかの如く。
マリアは両腕を広げて胸を張った。

ff

丁度その頃、特異災害対策機動部二課には、防衛省からの映像通信が入っていた。

『へっ、しゃらくせぇな。アイドル大統領とでも呼びゃあいいのかい?』
斯波田(しばた)事務次官ッ!」

大好物の蕎麦を啜りながらモニターに映ったのは、日本国外務省の斯波田賢仁(まさひと)事務次官であった。

複雑化極まる現在の世界情勢を相手取り、日本の国益と異端技術の結晶であるシンフォギア・システムを守るべく奔走している、弦十郎のよき理解者の一人である。

『厄ネタが暴れてんのはこっちばかりじゃなさそうだぜ。まあ、少し前に遡るがな』

そう言って斯波田事務次官は、一旦蕎麦を啜る。

彼が無類の蕎麦好きである事は、彼を知る者達には知れ渡っている。
通信中でも蕎麦を食べる事を忘れないので、きっと彼にとって蕎麦とは空気や水と同じものなのだろう。

閑話休題。

『米国の聖遺物研究機関でもトラブルがあったらしい』
「……米国の聖遺物研究機関というと、F.I.S.ですか?」
『なんでも、今日まで解析してきたデータの殆どがお釈迦になったばかりか、保管していた聖遺物までもが行方不明って話だ』
「こちらの状況と連動していると?」
『蕎麦に喩えるなら、オリってことはあるめぇ、まあニハチでそういうこったろう』

斯波田事務次官は、再び蕎麦を啜る。

F.I.S.とは、正式名を米国連邦聖遺物研究機関(Federal Institutes of Sacrist)。二課と同様、秘密裏に聖遺物の研究を
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