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バイオハザード -約束のサムライエッジ-
後編 REVENGE OF SURVIVORS
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 ――突如、この場に轟く銃声。その主はカイルのM92Fでも、ノエルのM1911A1でもない。

「えっ……!?」
「あのコート野郎が……!?」

 その謎の銃声にハッと顔を上げる2人の前には、タイラントが予期せぬ奇襲に怯む姿があった。どうやら、自分達以外の誰かが、この巨漢を攻撃したらしい。

「カイル、ノエルッ! くたばるにはまだ早いぞッ!」
「その声……まさか!?」

 焼け焦げた廃車の陰や、建物の屋上、破壊されたコンクリート壁の奥から続々と現れた、その乱入者達の姿に――カイルとノエルは、瞠目する。

「デカい怪物がいるかと思えば、まさかお前らが狙いだったとはな。……当てるのが楽そうな的で助かる」
「エドウィン……!」
「よく見ておけ、カイル。至近距離での射撃というのは、こうやるのだ!」

 コンクリート壁の大穴から飛び出して来た、筋骨逞しいスキンヘッドの黒人男性――エドウィン・サンチェス。かつては歴戦の軍人として戦場を渡り歩いていた彼は、軍を退いた今でも衰える気配のない腕前を披露していた。
 その太い手に握られたレミントンM870・ウイングマスターの銃口が、火を放つ時。至近距離故に高い火力を発揮するショットガンの洗礼を浴び、タイラントは僅かにたじろいでいた。

「……かつて私は、あなた達に救われた。人々を救うべき医師として、その恩に報いないわけには行きません」
「ライアン! 来てくれたのね!」
「医師が真っ先に逃げ出しては、誰1人救えませんからね。それに気付かせてくれたのは、あなたですよ……ノエル!」

 ブラウンの髪を靡かせる、白衣の青年――ライアン・ハワード。見掛けは華奢だが、テンポイント社製のクロスボウ・ステルスNXTを握るその姿は、1人の戦士としての勇ましさを感じさせている。
 建物の屋上からタイラントに狙いを定め、引き金を引くその眼差しは、矢に勝る鋭さを帯びていた。

「ノエル、無事!? ――って、なんなのよコイツッ!? ジョン、とにかく加勢しないと!」
「か、加勢ったって……効くの!? 撃ってもちゃんと効くのアレ!?」
「つべこべ言うな! 口より先に手を動かしなさいッ!」
「シルファ!? ジョンまで……どうしてここに!」
「この前、あんた達に助けられた『借り』を返しに来たの! こんな場面に出くわしといて、知らんぷりで逃げるなんてシャクだからねっ!」
「お、俺は2人で逃げようって……」
「何か言った!?」
「いっ、言ってないですぅう!」

 燃えるような赤髪をウェーブショートに切り揃えた、勝気な美女――シルファ・カーレイン。その脇で震えながら銃を構える、褐色の肌を持つ黒髪の青年――ジョン・エリオット。
 彼ら2人はノエルと同じラクーン大学の学生であり、ゾンビ達の襲撃に遭って
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