第三章
[8]前話 [2]次話
「後ろでまとめて」
「ええ、それが浴衣に合うと思って」
「そうしてるね」
「それがどうかしたの？」
「浴衣の後ろの首筋からうなじが見えて」
それでというのだ。
「凄い色香だよ」
「そうなの」
「それに」
麗子の浴衣の後ろ姿も見て言う。
「下着のラインもね」
「えっ、まさか」
「いや、見えてるよ」
自分の言葉に驚く麗子に小声で話した。
「後ろね」
「そうなの」
「浴衣の生地だとね」
「下着のライン透けるの」
「そうだよ」
「穿かないか湯文字着けるものって聞いてたけれど」
「湯文字？」
「昔の女の人の下着で」
麗子はその湯文字の話もした。
「腰に巻くの」
「そうした下着なんだ」
「あと昔は女の人も褌をね」
「着けてたんだ」
「どれもね」
「どうかってなって」
「普通のショーツにしたけれど、色は白よ」
麗子はさりげなく下着の色の話もした。
「そっちにしたけれど」
「それがね」
「ライン透けてるの」
「かなりね」
「それはね」
麗子も流石に顔を赤くさせて言った。
「かなり恥ずかしいわね」
「まずいよ」
「気付かない振りしてやり過ごすしかないかしら」
「ここはね」
「せめて」
麗子は赤くなった顔のままこうも言った。
「ティーバックだったら」
「そっちの下着持ってるんだ」
「実はね、それだったらね」
「ライン出なかったっていうのね」
「そうだったわね」
「そうだろうね、けれどやっぱり浴衣はね」
雄馬はまた言った。
「どうしても」
「中々危ない服なのね」
「巨乳は目立たなくても」
それでもというのだ。
「うなじと下着のラインがね」
「その二つが問題なのね」
「うん、だから」
それでとだ、雄馬は麗子に小声で囁いた。
「これからはね」
「そうしたことに注意して」
「浴衣着ていこうね」
「それがいいわね」
麗子も頷いた、そうしてこの時はお互い気付いていないうなじにも下着のラインにもそういうことにして開き直って遊び。
以後二人共浴衣のことでは気をつけることにした、だが。
雄馬は麗子とビーチに行った時にこんなことを言った。
「あの、もう水着はね」
「駄目かしら」
見ればシンプルな黒地に白や黄色の模様がある競泳水着だ。露出は少ない。
「ビキニより露出少ないけれど」
「競泳水着体形はっきり出るから」
それでというのだ。
「かえってね」
「よくないの」
「ちょっと以上にね」
こう麗子に言うのだった。
「危ないよ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「水着もね」
「気をつけないといけないのね」
「まだね」
それこそというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除