暁 〜小説投稿サイト〜
手話で伝えて
第三章

[8]前話
「公平という美徳も併せ持っています」
「そうした娘ですね」
「ですか」
「ルルともベルともですね」
「仲がいいのです」
「そうですね」
「観ていてわかります」
 マッカートニーは目を細めさせて言った。
「今モーラは幸せです」
「ルルもベルもですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「とてもです」
「そうですね、ではです」
「そのことをですね」
「モーラに手話で聞いてみます」
 こう言って早速だった、ヘンダーソンはモーラにルルそしてベルと一緒に暮らせて幸せかと手話で尋ねた。するとモーラも手話で答えたがその返事は。
「これ以上はないまでにです」
「幸せとですか」
「言っています」
 手話でというのだ。
「そう言っています」
「そうですか」
「家族が増えて本当に嬉しいと」
「左様ですね」
「見ればわかりますが」
 このことはとだ、ヘンダーソンは話した。
「ですが手話で確認することもです」
「大事ですね」
「そうした実験ですので」
「あえてですね」
「今はそうしていますが」
 学者としてだ。
「それでもです」
「それが貴女のお仕事ですし」
「素晴らしいことがわかりました」
「ゴリラは手話が出来るだけでなく」
「非常に素晴らしい心を持っていることも」
 ただ頭がいいだけでなくというのだ。
「わかりました、少なくともモーラはです」
「そうした娘だとですね」
「わかりました、本当に今回の実験はよかったです」
「考えられて実行されて」
「貴方にも協力して頂いてです」
 それでというのだ。
「有り難うございます」
「そう言われますか」
「はい、とても」
 こう言ってだった、ヘンダーソンはマッカートニーと共にゴリラのコーナーに共にいるモーラとルルそしてベルを目を細めさせて見た、すると。
「ウホッ」
「ニャア」
「ニイ」
 三匹で楽しく遊んでいた、そこには確かな幸せがあった。手話でも伝えられるそれが。


手話で伝えて   完


                2020・3・24
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ