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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第十七話 負けられない戦いがそこには有る
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いるとすればこちらは合流すれば一万千五百隻、まだ充分に戦える!



7月30日 自由惑星同盟軍士官学校、戦術講堂 ヤマト・ウィンチェスター

 「マイクの勝ちだよ、オットー」
「そうだな…味方左翼を厚くして前進させる事で敵左翼の突出を誘う。味方の突出に誘われるように、敵の予備として控えていたフォーク本隊が敵左翼の更に左側からマイクの右翼側面に回り込もうと迂回、そこへ当初索敵に回していた兵力の残り、四千六百隻がアスターテ方向から現れてフォーク本隊の後方を突いた…フォーク本隊は半壊し艦隊全体の統制が取れない。フォーク側は損害が七千隻を越え自動撤退、状況終了か」
「フォークは包囲にこだわり過ぎた。フォーク本隊が動くのはもう少し後でも良かったんだ。状況終了時のお互いの残存兵力だけ見れば、マイクは一万隻、フォークは七千八百隻。引き分けと言ってもおかしくない数字だよ。実戦ならこうなる前に切り上げるか、増援を呼ぶと思うからね」
「そうだな…それにしても周りがざわついてるな。まあ当たり前か、マイクが勝つとは誰も思ってないだろうからな」
「そうだね、でもこれで益々俺達への風当たりは強くなるな。特にドーソン教官が」
「そうなのか?」
「シミュレーションの始まる前のあのわざとらしい態度を思い出してみなよ?言ってただろ、本来は相手の指名は禁止、対戦相手の姓名は明かさないって。上から言われたならともかく、首席とはいえ一候補生の希望を入れてこのシミュレーション対戦をやったんだぜ?ドーソン本人は候補生の希望を入れてやっただけって言うかもしれないが、許可したのはドーソンだろう。こんな事、上に言っても認められる訳がないだろうからな」
「もしそうなら、なんでフォークの希望を受け入れたのかな」
「俺達が気に入らなかったんだろうよ。将官推薦者は優秀、というのがレッテルだからな。将来自分の競争相手になる、とでも思ったんじゃないか?それにあいつは他人のアラ探しをするタイプみたいだからな」



7月30日 自由惑星同盟軍士官学校、戦術講堂

 「将官推薦は伊達ではないようですね、今回は大人しく敗けを認めるとしましょう」
「ハッハ、次の機会はないぜ。お前は俺に勝てないどころか、オットーやヤマトにも勝てやしない」
「…一度勝ったくらいでいい気になるな!下士官風情が!!今回は本気を出さなかっただけだ!次こそは!」
「…おい」
「何だ!」
「実戦に次はないんだぜ?常に本気なんだ、分かるか?戦いに士官も下士官も関係ないんだ」
「……覚えていろよ」
「ああ、覚えておいてやるとも」
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