第三話
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なさいね勇者様、オフロってなんですか?」
「え……オフロというのは体を洗ったりする……」
「あー、はいはい!宿の裏手でてきますよ。ご案内しましょうか?」
「あ、お願いしますー」
マリアさんに案内されて宿の裏へ。
日はすっかり落ちて手に持ったカンテラの明かりだけを頼りに歩く。
途中でマリアさんは樽にたまった水をバケツに汲んで持ってきたけど、それで何をするんだろう?
そこには馬小屋やら倉庫やらなんかよくわからないものやらいろんなものが並んでいました。
「勇者様、こちらですよー」
マリアさんが案内してくれた先には……変な機械?がありました。
地面から垂直に生えた人の腰くらいの高さのパイプの上に、緩やかにカーブを描くレバーのようなものが付いていて、また横からは水平よりも少し下向きに別の長さ30p程のパイプが生えています。
横から生えたパイプの先端の下に、そばに立てかけてあったたらいを置いたマリアさん。
「じゃあ、今お出ししますねー」
の声とともにマリアさんは持ってきたバケツの水を地面から生えた垂直のパイプに上から流し込むと、レバーを引っ張り上げ、そして体重をかけて押し下げます。
そしてそれを数回繰り返すと横から生えていたパイプから水が流れ出てきてたらいにたまっていきました。
へーこうやって水を汲むんだ……って、ちょっと待って!
「この水、めちゃめちゃ冷たいんですけど!」
「そりゃそうですよ勇者様。井戸の水はいつだって冷たいものです」
こ、これで体を洗うの……?
タオルをたらいの水に浸してとりあえず腕を拭く……。
べちゃ。
「つぅめたっ!」
こんな冷水で体を洗ったら、風邪を引いちゃうのでは?
でも臭う女子にはなりたくないので一生懸命ゴシゴシ。
「あ、勇者様。ついでに洗濯しちゃいますので、着ているもの脱いじゃってくださいね」
ええっ!?
確かにこの暗闇だったら見られることはないかもしれないけれど、屋外でですか……?
でも確かに服もちょっと臭う気がします。
誰もみてないし……仕方ない。
意を決して脱いだ服をマリアさんに手渡します。
「よろしくお願いします」
「はい、おまかせください」
マリアさんはデコボコのついた板をたらいの中に立てかけると、水に濡らした私の服をゴシゴシ擦りつけ始めました。
あー、あれが洗濯板なんだ。
……。
別に気にしてないもん。
全身きれいに洗い終わった頃には、マリアさんのお洗濯も終わっていました。
あれ、でも洗濯しちゃったら、その服は乾くまで着られないですよね……?
「マリアさん、そういえば着替えは……」
「
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