暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
君への贈り物(ホワイトデー記念回)
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
特異災害対策機動部二課、仮設本部内の一角。
3月14日の浮ついた空気が漂う中、一組の少年少女が向かい合っていた。

「響、これを……」

そう言って翔は響に、黄色いリボンでラッピングした袋を手渡す。
中には朝から丹精込めて作って来たチョコレート菓子が詰められていた。

「バレンタインのお返しだ。受け取ってくれるか?」
「わぁ!ちっちゃいカップケーキが沢山!そっかー、だから今朝は一人で純くんの家に行ってたんだ〜」
「折角のホワイトデー、本当は少しでも長く響と過ごしたかったんだけど……やっぱり、沢山食べる響の顔が見たくてな。この後、一緒に食べないか?」
「うん!食べる食べる!翔くんありがとうッ!」

太陽のように明るく、花が開くような笑みを顔いっぱいに広げて、響は翔に抱き着いた。

響の背中に腕を回し、翔は微笑む。

「それからもう一つ」

そう言って翔は、もう一つの袋を取り出す。
カップケーキのものよりも大きく、両腕で抱えられる程の大きさだ。

「これ……ショッピングモールにある、ぬいぐるみ屋さんの?」
「うん。響、ベッドにぬいぐるみ置いてるだろ?その中に、こいつも加えてやって欲しくてさ……」

未来との学生寮生活の頃から、響の寝床には幾つかのぬいぐるみが置かれているのだ。
ぬいぐるみそのものも、それを抱える響の姿も可愛らしいので、翔もそれらをベッドに置かせていた。

その中に一つ、加えて欲しい。翔はそう言った。
響は期待を胸に袋を開いた。

「これは……青いヒヨコさん?」
「響のぬいぐるみ、ヒヨコが多かったからさ……。好きなのかな、って」

翔は枕元に置かれていた、頭に白いリボンが付いたヒヨコを思い出しながらそう呟いた。



我ながら、馬鹿だとは思う。まさか小日向に……響の親友、それも女の子に嫉妬するだなんて。

でも、どうしても羨ましかったんだ。

それが女子特有の距離の近さなのか、それとも響と小日向が特別なのかは分からない。

だとしても、俺は……。

「ありがとう翔くん!大事にするね!」
「ああ。そうしてくれると、俺も嬉しいよ」

きっと素直な君は、言葉通りの意味にしか捉えていないんだろう。
でも、それでいい。こんな俺の欲張りな面なんて、君は知らなくてもいい。君を独り占めしたい……なんて、俺らしくもないじゃないか。

でも、もしも君に知られてしまったのなら……。

もしくは、こんな俺を剥き出しにしてしまう日が来てしまったら……。

その時、君は俺を受け容れてくれるだろうか?

「ふっふーん♪じゃあ、この子を早く新しい友達に合わせてあげる為にも、早く帰ろっか!カップケーキも食べたいし!」
「おかわり、まだ箱に詰めてもらってるから、遠慮せ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ