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おっちょこちょいのかよちゃん
41 護符の所持者、名古屋へ戻る
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なって」
「確かに心配やけどね。まあ、大丈夫だって信じないと。かよちゃんもお母さんから杖を貰ったのもお母さんがかよちゃんの事信じてるからよ」
「うん・・・」
 かよ子は己を顧みた。おっちょこちょいな自分でもできる事はあるんだと。
「あ、そうだ、明日はテストだ、勉強しないと!それじゃ、失礼します・・・、って、あ!!」
 かよ子は門を出た途端、爪先を塀にぶつけてしまった。
「いたたたた・・・」
 かよ子はまたおっちょこちょいをやってしまった。
「落ち着きなよ、かよちゃん」
「うん・・・」
 かよ子を足を引きずりながら自分の家へ戻った。

 奏子は勉強しながら、日本平の花火大会を楽しみにしていた。
(三河口君と一緒に花火見れたら、楽しいな・・・)
 奏子はそう思いながら、勉強を続けた。期末テストまで時間は殆どない。しかし、その後には日本平良での花火大会が待っている。必ずこのテストを乗り越えると奏子は決めた。

(はあ、はあ、勉強大変だな・・・)
 かよ子もテスト勉強に追われていた。その間の夕食、かよ子は父からこんな事を案じられた。
「かよ子、テスト終わったら日本平の花火大会見に行こうか!」
「え・・・!?うん!」
 かよ子は喜んだ。その為にはテストを乗り切らなければならない。かよ子はその先の花火大会を楽しみにするのだった。

 同じ頃、羽柴家から電話がかかった。奈美子が出る。
「もしもし、羽柴です」
『あ、お母さん、札幌のありでーす』
「ああ、あり!久しぶり」
 ありとは、羽柴家の次女でさりの姉である。今は結婚で札幌に住んでいた。
『清水にすんごい雨っ振ったけど大丈夫だったの?』
「うん、大丈夫よ。さりや健ちゃんとかが色々頑張ってたからね」
『そっか、安心したよ。そうだ、健ちゃんが居候してんだってね』
「うん」
『夏休みに札幌(こっち)においでよ、って、言っといて』
「うん、分かったよ」
『そんじゃ、お父さんにもよろしくー』
 ありは電話を切った。
「健ちゃん」
 奈美子は甥を呼ぶ。
「ありが夏休みに札幌来ないかって」
「ありちゃんが・・・。分かりました。伺ってみたいと思います」
 三河口は承諾した。
「うん、ありにも伝えとくね」

 りえはピアノが得意である。将来の夢は勿論ピアニストである。しかし、三年生になった春のある時、謎の揺れが起きた。そんな時に母からある杯を貰った。その杯は何か物質を入れるとその物質の精霊が現れるという不思議な杯だった。ある時、その杯を狙う異世界からの敵が現れた。だが、その杯の能力(ちから)を使用して何とか撃退した。あれ以降、なぜか自分の夢が叶わないような予感がしてしまった。元の日常が失われたような感だったのだ。
「りえ、大丈夫よ。ピアニストにきっとなれ
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