暁 〜小説投稿サイト〜
いつもと違って
第五章

[8]前話 [2]次話
 その間、中華街を巡り買いものをしたり食事をしたりする時にだった、文哉にじっと寄り添ってだった。
 もじもじとした感じで学校での堂々とした感じはなかった、それで文哉はそんな彼女にくすりと笑って声をかけた。
「デートの時はいつもね」
「な、何だよ」
「真理子ちゃん大人しいよね」
「こうした格好にるとな」
 いつもと違う女の子らしい恰好をすると、というのだ。
「それにデートしてるって思うだけでな」
「恥ずかしいんだ」
「い、言うなよ馬鹿」
 ここでも顔を真っ赤にして言った。 
「そんなことは」
「駄目なんだ」
「恥ずかしいからな」
 だからだというのだ。
「そんなことはな」
「そこでそう言うのが余計にね」
「だから言うなって言ってんだろ」
 湯気さえ出さんばかりになっての言葉だった。
「本当に怒るぞ」
「けれど本当にね」
「可愛いっていうんだな」
「うん、だから僕こうしてデートするのが」
 真理子、彼女とというのだ。
「大好きなんだよ」
「そうだっていうのかよ」
「そうだよ、じゃあ時間までね」
「ああ、野球の試合までな」
「まだ少し時間あるから」
 それでというのだ。
「カラオケ行く?」
「ああ、カラオケな」
 真っ赤になっている顔の色を元に戻してだった、真理子は応えた。表情も素のものに戻ってしまっている。
「それじゃあな」
「行こうね」
「中華街カラオケもあるしな」
「食べものとお土産とかね」
「そういうのだけじゃないからな」
「うん、だからね」
 野球の試合がはじまるまではというのだ。
「そこに行こうね」
「それじゃあな」
「うん、それでね」
 文哉はまた言うのだった。
「真理子ちゃん歌上手いし」
「そうか?」
「歌う時は可愛い声になって」
 普段はまさにヤンキーそのものの声だがだ。
「それがね」
「それツレにも言われるんだよな」
 バツの悪い顔になってだ、真理子は文哉に答えた。
「カラオケに行ったらな」
「そうだよね」
「歌上手で声もな」
 そちらもというのだ。
「実際にな」
「可愛いってだね」
「アニメ声になってな」
 それでというのだ。
「歌う歌もな」
「アイドルのとかアニメソングとかね」
「そういう曲好きだしな」
 女性アイドルに女性声優やグループが歌うアニメソングが好きだ、しかもレパートリーもかなりのものだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ