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愛犬の願いごと
第三章

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 こうして家族と猫の生活がはじまり猫はクロと名付けられた、クロはまだかなり弱っていてあまり動けず。
 目もよく見えない感じだった、祖母はそのクロを見て孫娘に話した。
「クロはまだね」
「弱ってるわね」
「だからあまり動けないし」
「目もあまり見えていないわね」
 孫娘も応えた。
「どうも」
「そうよね」
「目がまだ赤いわね」
「完全によくなっていないのね」
「やっぱり元気になるには時間がかかるわね」
「だからね、ご飯も」 
 これもというのだ。
「柔らかくして食べやすくしてね」
「食べさせてあげるべきね」
「そうしていきましょう、おトイレの仕方も教えたし」 
 こちらは教えたらすぐする様になった、だが身体が弱くあまり動けないのかいつもトイレの近くにいる。
「後はね」
「元気になるまでね」
「育てていきましょう」
 こう言ってクロを大事にしていった、家族もそうしていたが。
 ベルは家の中にいる時はいつもクロの傍にいて彼女を包んで暖める様にしていた、するとクロもだった。
 ベルの温かい毛に包まれる様にしてその中ですやすやと共に寝る様になった、そのうえでご飯やミルクで栄養を摂り。 
 次第に元気になっていった、目も赤くなくなり普通に動ける様になった。確かに身体は弱いが。
 家の中も歩き回る様になり祖母はその彼女を見て孫娘に言った。
「もうね」
「ええ、大丈夫ね」
「普通の猫ちゃんより動きは鈍いけれど」
「やっぱり身体が弱いから」
「けれどね」
「健康になったわね、若し」
 孫娘は祖母に話した。
「あの時ベルがお願いしなかったら」
「路地裏に行こうって、そしてね」
「クロを助けようってお願いしなかったら」
「クロはうちに来なくて」 
 それでというのだ。
「助かっていなかったわ」
「そうよね」
「けれどね」
「ベルがお願いしてくれて」
「クロは助かったわね」
「全部ベルのお陰ね」
「本当にね、さもないと」
 実際にというのだ。
「クロがいなかったら」
「どうなっていたか」
「わからないわね」
 こう話してそしてだった。
 ベルの傍に近寄るクロを見た、すると。
 ベルは彼女に優しい声で鳴いた。
「ワン」
「ニャア」
 クロはベルに言葉を返す様に鳴いた、そうして。
 床の上で丸くなったベルの横に来てそのお腹のところで丸くなって共に寝た。二人は共に眠る彼女達を見て笑顔になった。そのうえで二匹のご飯をミルクも用意した。


愛犬の願いごと   完


                 2020・2・28
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