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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百六十話 炎を見ながらその四
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「女の人には優しかったんだ」
「フェミニストだったのね」
「今から見ても立派な位ね」
「そうだったのね」
 もっと言えば権力欲はあっても節度もあったし昭和帝への忠誠心は絶対だった、そして公平という美徳もあった。
「ユダヤ人を助けたことは知ってたけれど」
「そのこと大きいよね」
「この学校じゃ教えてくれるわね」
「事実だしね」
 日本全体がリトアニアからシベリアを伝って逃れてきたユダヤ人を保護したし上海にいたユダヤ人をナチスに引き渡せと言われても断ったことも事実だ、
 そしてこのことについて東条さんは関わっていたのだ。
「そのことは」
「そうよね」
「ナチス=ドイツは同盟国だったけれど」
「その要求を突っぱねて」
「そうしてユダヤ人を護ったんだ」
「立派なこともしてたのね」
「ちゃんとね」
 このことは評判の悪い当時の外務大臣松岡洋右もだ、ナチスの要求を頑として断った。そうしてユダヤ人を護ったのだ。
「国策だって言って」
「それだけでも天国に行けるわよね」
「少なくとも貶められる人じゃないよ」
 このことは断言してもいいと思う。
「おかしな人達に」
「そうよね」
「けれどそんな人でもね」
「あの時代に生きたから」
「ああなったんだよ」
 戦犯として処刑されてしまったのだ。
「歴史の犠牲者だね」
「そうよね」
「それで井伊直弼さんもね」
「時代の犠牲者ってことね」
「あの時代に井伊家に生まれて」
 これだけなら本当にまだよかった。
「藩主になってね」
「大老にまでなって」
「ああなったんだ」
「それで今も昔も嫌われてるのね」
「そうなんだよね」
「この文化祭でも最大の悪役だったし」
「流石に貶められはしなかったけれど」
 何か射的の的とかになりそうだけれどそうしたことはなかった。
「事実を書かれていても」
「かなり悪そうだったわね」
「それを擁護出来ないしね」
 それこそ誰もだ。
「この学園世界中、日本中からも人来るけれど」
「滋賀県の人も来てるわよね」
「その筈だけれど」
 それでもだ。
「彦根の人がいても」
「彦根じゃ流石に評判いいのよね」
「地元だからね」
 地元の殿様だけあってだ。
「あそこだけはね」
「そうよね」
「吉良さんと一緒で」
「忠臣蔵の」
「あの人も地元じゃ評判いいから」
 というかこの人は忠臣蔵で滅茶苦茶書かれているだけで実は地元では名君で討ち入りの時も隠れず武士らしく勇敢に戦って死んだらしい。
「それもかなりね」
「それで井伊さんも」
「流石に地元じゃ評判いいから」
「それは救いね」
「さもないとどうしようもないから」
 地元の人にまで嫌われていたらだ。
「それこそ」
「そうしたものよね」
「けれどどう
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