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レーヴァティン
第百四十話 空の前哨戦その五

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「一隻、多くて二隻よ」
「それ位だよな」
「本当に高価なものだから」
 それ故にというのだ。
「一国でもね」
「そうは持てないか」
「お金の問題は絶対でしょ」
「この世界でもな」
「それがあるかないかは」
 それこそというのだ。
「空船についても大事なことよ」
「それで連合王国もか」
「ええ、空船は持っていても」
 このことは事実だが、というのだ。
「数は少なくて」
「俺達よりもな」
「しかもその数も揃えたのはつい最近で」
「訓練もか」
「あまりしてなくて」
 陸軍や水軍と連携してのそれもというのだ。
「そのせいでね」
「今回迂闊に前に出て来たんだな」
「そうよ、じゃあね」
「ああ、敵の失策を衝く」
「それもまた戦よ」
「失策を見逃さずにな」
「それならね」
「今から攻撃仕掛けるな、それで敵の空船は何隻なんだ?」
 久志は攻撃を決定してからその数を確認した。
「それで布陣は」
「十二隻、それに魚鱗陣よ」
 清音は久志の二つの問いに一言で答えた。
「それで来ているわ」
「そうか、こっちの半分か」
「こちらの空船は二十四隻でね」
「しかも陸からの援護もあるからな」
「絶対的に有利よ」
「そうだな、じゃあ対空攻撃もな」
 これもとだ、久志は述べた。
「それとな」
「空船でもね」
「攻撃をするか、しかしな」
「しかし?」
「対空砲撃は難しいな」
 久志は軍船のこの攻撃については難しい顔で話した。
「甲板にある大砲をこれ以上にないまでに上にしてな」
「そうして行うものね」
「その上にするのも億劫でな」
 事前に対空戦用に備えている台まで大砲を移動させてそうして攻撃を行う、その行動に時間と人手を取られるというのだ。
「狙いもな」
「定めにくいわね」
「術を放つにしてもな」
「地上に向かって放つのとは違うから」
「何かとな」
「攻撃しにくいわね」
「狙いを定めることもな」
 このこともというのだ。
「難しいからな」
「そうね、けれど一発だけではないわ」
「ああ、弾幕張るからな」
「そう、弾幕を張って」
 そうしてとだ、清音はどうにもと言う久志に話した。
「それで攻撃するものだから」
「対空攻撃ってやつは」
「だからな」
「ここはそれで攻めるか」
「そうよ、ではいいわね」
「ああ、攻撃の用意をしてな」
「敵の空船の艦隊に向けて攻撃を行って」
 そしてというのだ。
「空船からもな」
「攻撃をするわね」
「そうするな」
 こう話してだ、そしてだった。
 久志は艦隊に対空攻撃の用意をさせた、そうしてそのうえで敵の空船の艦隊が来るのを待つと暫くしてだった。
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