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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
緋神の巫女と魔剣《デュランダル》 V
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「いやぁー、理子は無理だと思うなぁ。流石に諦めたら? 今のジャンヌじゃキーくんに勝ち目はないよ。ね、あっくん、アリア!」


もう飽きるほどに聞き慣れた、ある者にとっては愛しい、ある者にとっては目障りな──何者にもなりうる、その少女。
最高に最低な、救われなかった少女。
そんな少女の間の抜けた声で、この緊迫と冷徹は打破された。


「──っ、お前が何故ここに!?」
「どうしてだと思う? 仮にも《イ・ウー》内で策士と呼ばれてるんなら、少しはその脳で考えてみたらぁ? くふふっ」


キンジと白雪の背後から降りかかる声に、2人は視線を向けた。
理子は紡錘形の異形から降り立つと、身にまとっている改造制服の裾を翻しながら、嘲笑うように口端を歪める。
金髪のツインテールが点々と紅華を咲かせながら、この地下倉庫の無機質を背後に、揺れて靡いていた。

そうして続くように、彩斗とアリアもそこから現れる。呆然としたような、しかし僅かな緊張感を含んだ面持ちで、だ。


「──ふむ、早朝から熱心なことだ。先手(・・)を打っておかなかったら、少しばかり危うかったね。アリアは早々にキンジと白雪を介抱しておくれ。特に彼女は危険だ」
「分かった。……でも、すぐに戻るわ。それまで待ってて」
「うん、勿論」


《境界》は音も無く閉ざされる。そのまま彩斗はキンジと白雪を視界に入れると、「おはよう」と手を振って笑みを浮かべた。

左手は一見して自然体のように腰に添えているが、いつでも銃刀類は装備できるように、ということだろう。
彩斗は介抱のためにキンジと白雪の元へ駆け寄ったアリアを見送ると、そのまま《魔剣》を警戒しながら理子の横に立った。
何やら耳元で言葉を交わしている。

《魔剣》はその一挙手一投足に気を配るように視線を巡らせながら、しかし何の行動も起こすことなく、感情を警戒の一色に染めながら2人を見つめていた。多勢に無勢だ──それを理解して。

その一言二言は彩斗からの指令にも近しいモノだったのか。理子はアリアの後を追うようにして、2人の方へ駆け寄った。
即ち、身内による介抱である。後方支援に彩斗は人を割いたのだ。裏を返せば、それほど危惧すべき局面ともいえる。
そして、前方はひとまず自分だけで対処する──そんな意思が、この行動に示唆されていた。


「アリア、理子、どうしてここが……!」


キンジは駆け寄ってくるアリアと理子を見るやいなや、驚愕に目を見開く。白雪も苦痛に歪められた顔ながら、その一部分は同じ色で染まっていた。理子の存在が、大きすぎるのだ。


アリアはともかく、理子は関係ないハズだ──。


「詳しい説明はあとよ。今はアンタたちの介抱が先でしょっ」
「介抱なら
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