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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第64話
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は意味ありげな笑みを浮かべて自分にとっては見覚えのあるもう一人の女性に視線を向けた。

「…………そういう貴女も他人の事は言えなくて?」
レンの言葉に顔に青筋を立て口元を僅かにヒクつかせたもう一人の女性はすぐに気を取り直してレンに指摘し
「ふふ、ノーザンブリア方面から導力車で来ていてね。ちょっとした仕事というか――――――」
「ふう、そのあたりで。(ルーシーさん、困ります。相談なしに現地民と接触されては。)」
金髪の女性は自分達の事情を説明しかけたがもう一人の女性に小声で制止された。

(フフ、そうだったわね。でもこの子達ちょっと気になるというか…………)
「えっと…………?」
「ノーザンブリア”方面”ねぇ……それに表にあった豪勢な車となると。……更に隣にあるレミフェリアから来たってトコか?」
小声で相談している二人の様子をトワが不思議そうな表情をしている中アッシュは二人に問いかけた。
「へぇ?」
「……!?」
「あら……フフ、正解よ。先程も言ったように仕事でエレボニアに来たばかりで。ハリアスクにも用事があったからこのルートでエレボニア入りしたの。」
アッシュの問いかけにレンが興味ありげな表情を、もう一人の女性が驚いている中金髪の女性は苦笑しながら答えた。

「ハリアスク――――――確かノーザンブリアの首府だったね。」
「えっと…………随分とロングドライブですね。」
「しかしこの近くとなると”アルスター”になるけど……確かあの町はエレボニア帝国政府の発表によると”アルスターの民達は王国軍の関係者によって虐殺されて今は廃墟の町”となったそうだけど。友人が住んでいると先程口にしていたけど、一体どういう知り合いなのかしら?」
「そ、それは…………」
「何でただの旅行者の俺達の行き先や目的が気になってんだ?」
金髪の女性の独断専行に呆れたもう一人の女性は真剣な表情でトワ達に問いかけ、その問いかけに答えられないトワが答えを濁している中クロウは真剣な表情で訊ね返した。
「こう言ってはなんだけど貴方達は”普通”には見えなくて。このご時世、列車も車も使わずに魔獣も出る山道を徒歩で6人連れ……フフ、まるで人目を忍んで移動しているみたいに見えるわよ。」
「ハッ、開き直るじゃねぇか。」
「その質問をした時点でそっちも普通じゃない事を言っているようなものじゃねぇか?」
もう一人の女性の指摘にアッシュは鼻を鳴らし、クロウは意味ありげな笑みを浮かべて指摘した。

「あら、そんな事はなくて?レミフェリアのパスポートもある。正規の手続きでエレボニア入りしたのは間違いないわ。」
(っ……)
(目的が読めないね……一体どういう……)
「”レミフェリア”のパスポートに”正規”の手続き……やけに強調したね、そのあたり。」
「ッ
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