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年上でも
第四章
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「それでね」
「お母さんがね」
 波奈から見てだった。
「お姉ちゃんのお祖母ちゃんなのね」
「そうよ、波奈ちゃんはお姉ちゃんの叔母さんになるのよ」
「何か不思議だけれど」
「不思議だけどそうなるの」
 今は波奈の家の中で彼女と一緒に遊んでいる、じゃれ合ったその後で自分の服をなおしながら話した。
「お姉ちゃんと波奈ちゃんはね」
「そうなのね」
「だからお姉ちゃんは本当はね」
「私のお姉ちゃんじゃないのね」
「そう、だからね」
 可奈は波奈に笑って話した。
「本当はね、お姉ちゃんじゃなくて」
「何て呼べばいいのかしら」
「どうかしらね、私は波奈ちゃんを叔母ちゃんって呼べばいいけれど」
「私叔母ちゃんなの」
「まだ子供なのに叔母ちゃんってのもおかしいし」
 可愛い女の子にその表現は似合わない、そう思っての言葉だ。
「だからね」
「私は何て呼ばれるの?」
「波奈ちゃんね」
 これが可奈の答えだった。
「これからもそう呼んでいいわね」
「うん、じゃあ私もお姉ちゃんでいいよね」
「いいわよ」
 こう自分の叔母に言うのだった、姪として。可奈は大学を卒業して社会人になっても波奈をまるで妹の様に可愛がり続けた、兄弟姉妹がいない一人っ子なので余計にそうした。そして彼女が結婚する時にだった。
 波奈は中学生になっていた、家族婚で式に参加するのは親戚一同だけで彼女も呼ばれていたのだ。
 制服姿でだ、波奈は可奈に言った。
「お姉ちゃん、結婚しても幸せにね」
「ええ、波奈ちゃんも何時かね」
 可奈は自分に祝福の言葉を贈ってくれた波奈に笑顔で答えた。
「結婚してね」
「そしてよね」
「幸せになってね、そしてね」
 可奈は波奈にこうも言った。
「お父さんとお母さん、私にとってはお祖父ちゃんとお祖母ちゃんをね」
「ええと、茉奈お姉ちゃんが今笑ってるみたいに」
 ずっと別々に暮らしているので馴染みのない可奈の母親であり今嬉しくて泣いている彼女を見て言った。結婚して独立したのでずっと別々に住んでいるのだ。
「そうしなさいっていうのね」
「そうよ、結婚して幸せになって」
「お父さんとお母さんを」
「笑顔にさせてね」
「うん、けれど不思議よね」
 波奈はここでこうも言った。
「姪のお姉ちゃんがずっと年上で先に結婚して」
「叔母の波奈ちゃんが年下でね」
「まだ結婚する歳でもないって」
「不思議よね、けれどね」
 昔は自分もそう思っていた、だがだった。
 今は自然に受け入れて考えられる、それで可奈は波奈に言った。
「そうしたこともあるから」
「私達みたいなことも」
「それで受け入れていけばいいのよ」
「私もなのね」
「ええ、だからこれからも宜しくね波奈ちゃん」
「うん、お姉ちゃん」
 二人
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