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曇天に哭く修羅
第一部
ダークホース
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うと紫闇は思う。

同時に何故わざわざ三軍に甘んじていたのかという疑問も湧いてきた。


「クリスを倒して楽できると思ったが、世の中上手く行かないもんだな。まあコイツを倒しての優勝なら江神も文句ないだろ。悪いが手加減してやれないぜ」


視線の先に映し出された容姿と名前は紫闇の記憶に確りと刻み込まれる。


《橘花翔/たちばなしょう》


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


黙り込んでいた焔が口を開く。


「兄さん。何だいあれ(・・)は」

「私が気にしてた選手だよ。名前を聞いたことは有ったから試合を見てたんだけど」


レイアは焔に翔のことを伝えていない。


「橘花は《江神春斗(こうがみはると)》の側だね。『人』であって『鬼』じゃない」


そう言う焔だが解っている。

今の紫闇よりも圧倒的に強い。

見ただけで悟ってしまう程には。


「正直、紫闇が戦うには早すぎるステージに居る闘技者なんだよね彼」


二人は首を(かし)げ困ってしまう。


「『真眼』無しの黒鋼流だけで戦ったらあたしでも厳しい難敵だし……」

「真眼有りでもどうだろうな」


出来るのは今までの修業と同じく基礎能力の向上しかないがどうしたものか。


「まあ解っているのは橘花君が普通の魔術師ではなくもっと厄介ってことだ」

「兄さんは情報有るの?」


焔がレイアの方を向く。


「彼は魔術師としてだけではなく超能力者としての力も持っている。魔晄が有ろうが無かろうが戦うことが出来てしまうんだよ」

「どんな能力かは?」

「いや知らない。得意とするのは体術で近距離を主軸にしているくらいか」


今日のように手を抜いてくれれば勝ち目は有るが真剣に戦えば勝ち目は無い。


「はぁ……」

「頑張れ焔」

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