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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-2 マリアのロケット
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夕方、大神とジンの二人は、カンナに連れられ、帝劇の中庭に誘われた。カンナが、二人の力量に興味を示し、ぜひ組手をしてみたいと申し出たからだ。いきなり空手に誘われたこともあって二人は当惑するものの、大神はこれから部下にもなるカンナとの距離を縮めるため、ジンも変身の必要がある戦いに備えて己を鍛えるためにも彼女の誘いを受け入れた。
「はぁ!!」「ぬぅ!」
今は、胴着姿の大神がカンナとの組手の最中だった。待っている間、ジンは二人の組み手の様子を、見逃さないように観察していた。カンナは沖縄桐島流空手二十八代目継承者の称号を持つだけあり、繰り出す技の全てが切れのあるものだ。だが大神も海軍士官学校を首席で卒業した身だ。簡単に攻撃を通すまいと、カンナの繰り出す上、下段…そして正拳突きの乱打に、一瞬の気の緩みも見せずに防いでいく。
しかし最後、上段回し蹴りが繰り出されると、さすがにそこまでは防ぎきれなかったのか、大神はまともに食らってダウンしてしまう。
「やっば!やりすぎたか!悪い隊長さん!」
「大神さん、大丈夫ですか!?」
カンナとジンがすぐに駆け寄る。大神の顔には、見事にカンナの靴の裏の模様がくっきりと浮かび上がっていた。
それがおかしくて、つい二人は噴き出してしまう。
「二人とも、なんでそんなに笑うんだい?」
いくらなんでもひどくないか?と思うが、たまたま傍にあった噴水で軽く、顔についた砂を取ろうとすると、顔についた靴の裏の跡を見てその意味を理解して、軽く凹んだ。



その後、一息つくために三人はその場で休憩に入った。
「まったく、あんなに笑うなんてひどいじゃないか二人とも」
「はは、悪い悪い。あんまりにもおかしかったからつい、な」
「さっきの顔、さくらたちにも見せたかったね」
「やめてくれよ…」
大神は、さくらたちにも笑われてるもしもの未来を予想し、いっそうテンションが下がる。
「でも、カンナさんは本当に強いですね。けど、どうして帝劇に?」
ジンは彼女に対する疑問を口にした。継承者と名乗るほどの空手の達人が、なぜ舞台女優になったのか。考えるとあまりにも接点が見当たらないし、イメージがわいてこない。
「やっぱ気になるよな?あたいみたいな女が舞台に立ってるなんてさ」
「あ、いや…」
失礼な言い方になってしまっただろうか。不快を促してしまっただろうかと不安を抱くと、察したカンナが何一つ不快に思ってるそぶりなど見せることなく、軽く笑って見せてきた。
「まぁ、あたいも我ながら似合わないとか、何度か思ったことはあるからな」
カンナは空を見上げ、遠い昔を懐かしむように語り始めた。
「あたいの親父は琉球空手の師範でさ、物心ついたときからあたいも空手一筋で、修行に明け暮れてたんだ」
「なるほど…」
いくら海軍で訓練を受けてきたとは
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